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「東京オリンピック報奨金と税金の関係について」


東京オリンピックと報奨金

東京オリンピックは、2021年7月23日~2021年8月8日の期間で行われた。また、東京パラリンピックは、2021年8月24日~2021年9月5日の期間で行われている。

東京オリンピックでは、金メダル27個・銀メダル14個・銅メダル17個の合計58個のメダルを獲得し、金メダル数・メダル獲得合計数共に過去最高となった。
メダリストには、日本オリンピック委員会(JOC)から報奨金が、一人当り金メダル500万円・銀メダル200万円・銅メダル100万円が支給される。

今回、メダル獲得数もさることながら、団体競技でのメダル獲得・金メダルの報奨金の引き上げにより、報奨金総額は4億4,400万円の予定で過去最高の支払となります。
こんなオリンピックの報奨金などのメダリストの税金について、見ていきたいと思います。

JOCから支給される報奨金の所得税

一般的に報奨金・賞金を受け取る場合、所得税法では一時所得となり、報奨金・賞金の金額から特別控除額(最高50万円)を控除した金額の1/2の金額が課税の対象となり、所得税・住民税を課税されます。
しかし、JOCから支給されるオリンピックの報奨金に関しては、所得税法に非課税所得と定められおり、所得税・住民税は課税されません。

オリンピック選手が受け取るその他の報奨金

オリンピック選手は、JOCから受け取る報奨金以外にも、各競技団体などから報奨金を受け取る場合があります。
JOCに加盟している各競技団体からの報奨金は、JOCから支給される金額まで非課税となります。つまり、金メダルリスト500万円・銀メダリスト200万円・銅メダリスト100万円までは、非課税所得となり、所得税・住民税は課税されません。そのため、JOCから支給される金額を超える報奨金を受け取る場合は、一時所得として所得税・住民税が課税されます。

それ以外にもスポンサー企業などから報奨金を受け取る場合もあります。その場合、その企業が所属企業として勤務先となる場合には給与所得として課税されます。その企業が所属企業ではなくスポンサー企業などからの報奨金の場合には一時所得として課税されます。

オリンピックと報奨金の関係

オリンピックでは、メダルを獲得すると報奨金が支給されます。JOCから支給される報奨金だけを見ると、今まで選手が努力して獲得したオリンピックのメダルの割に金額は高額ではありません。そんなオリンピックメダリストですが、競技によって報奨金が多い選手もいれば、報奨金が少ない選手もいます。

元々、報奨金は所得税の課税対象でした。バルセロナオリンピックの金メダリスト岩崎恭子選手に支給されたJOCの報奨金が一時所得に当たるとして課税されたことで注目されました。当時中学生だった岩崎恭子選手に所得税が課されること、扶養親族から抜けてしまうことが注目の要因でした。

その後、1994年に所得税法が改正され、今日では非課税所得として取り扱われることとなりました。
このようにオリンピックでメダルを獲得すると色々な報奨金を受け取ることがありますが、支払者・金額などにより課税されたり、非課税となったりしていきます。

オリンピックの報奨金のニュースを目にしますが、報奨金に対する税金を知っておくと違った見方ができますので、参考にしてみてはいかがでしょうか。



税理士 中村 武志

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