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「新型コロナウイルス感染症の影響による路線価等に係る地価変動補正率について」

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路線価等の補正について

前に書いたコラムで掲載した路線価等の補正について、新型コロナウイルス感染症の影響により大幅な地価下落の可能性があり、路線価等が時価を上回る可能性があるため、国税庁から路線価等の補正地域・補正率が公表されました。

公表された路線価等の補正地域・補正率について見ていきたいと思います。

路線価等の補正地域

令和2年分の相続税・贈与税などに利用する路線価等の対応について、補正地域は下記の通りとなります。

・令和2年1月~6月:地価の大幅な下落は確認できず、路線価等の補正は行わない。

・令和2年7月~9月:以下の地域に所在する土地等を相続または贈与により取得した場合には、路線価に地価変動補正率を乗じた価額に基づき土地等の評価額を計算していきます。

①大阪府大阪市中央区心斎橋筋2丁目
②大阪府大阪市中央区宗右衛門町
③大阪府大阪市中央区道頓堀1丁目

・令和2年10月~12月:上記の地域に加えて以下の地域に所在する土地等を相続または贈与により取得した場合には、路線価等の補正の可能性があります。それに先立って、令和2年10月から12月までの間に土地等を贈与により取得した方については、路線価等の補正に係る公表の日から2ヶ月以内の申告・納付が認められます。

①愛知県名古屋市中区錦3丁目
②大阪府大阪市中央区千日前1・2丁目
③大阪府大阪市中央区道頓堀2丁目
④大阪府大阪市中央区難波1・3丁目
⑤大阪府大阪市中央区難波千日前
⑥大阪府大阪市中央区日本橋1・2丁目
⑦大阪府大阪市中央区南船場3丁目

路線価等の地価変動補正率

令和2年7月9月までの間に土地等を相続または贈与により取得した場合には、下記の地価変動補正率を乗じた価額に基づいて土地等の評価額を計算していきます。

大阪府大阪市中央区心斎橋筋2丁目:0.96
大阪府大阪市中央区宗右衛門町  :0.96
大阪府大阪市中央区道頓堀1丁目 :0.96

(計算例)
300,000円(令和2年分路線価) × 0.96(地価変動補正率) = 288,000円

まとめ

今回、路線価等の補正について公表されましたが、補正地域に関しては限定的なために影響を受ける方は少ないかと思います。
ただ、令和2年7月~9月に上記3件の地域の土地等を相続または贈与により取得された方は影響が出てまいりますので、申告の際は注意が必要となります。

そして、令和2年10月~12月に上記10件の地域の土地等を相続または贈与により取得された方は影響が出てくる可能性がありますので、次回、令和3年4月の国税庁からの公表に注意していきましょう。これ以外の地域に関しても必ず補正が行われないわけではありません。令和3年4月の国税庁の公表も注視していきたいと思います。

これらのことから令和3年の路線価に関して、全体的に前年比で価額が小さくなることが予想されます。特に上記の地域とそれに近い地域に関しては、減少幅が大きくなることが予想されます。令和3年はそれらのことに踏まえて贈与・相続対策などを検討してみてはいかがでしょうか。



税理士 中村 武志

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