まだまだコロナウイルスによる社会経済への影響が多大ではありますが、各給付金等で何とか凌いでいる事業者様も多いかと思います。税務の観点らも救済措置がでています、「固定資産税・都市計画税・償却資産税」において減免措置が発表となりました。ぜひご活用いただければと思います。
固定資産税等の減免
新型コロナウイルス感染症の影響により事業収入が大幅に減少した事業者に対して、2021年の固定資産税・都市計画税・償却資産税の全部または一部を減免する制度となります。
対象者
この固定資産税等の軽減措置の対象事業者は、中小企業者・小規模事業者で、下記の事業者が対象となります。
- 資本金の額又は出資金の額が1億円以下の法人
- 資本又は出資を有しない法人又は個人は従業員1,000人以下の場合
減免対象
- 事業用家屋及び設備等の償却資産に対する固定資産税
- 事業用家屋に対する都市計画税
減免額
2020年2月~10月までの任意の連続する3ヶ月の事業収入(売上)の対前年同期比の減少率に応じて、2021年度の固定資産税等が下記の通り減免されます。
- 50%以上減少の場合 :全額
- 30%以上50%未満の場合:2分の1
申請の期限
固定資産税等の軽減措置を受けるためには、2021年1月31日までに固定資産税等を所轄する各地方自治体に、事前に認定経営革新等支援機関等に確認を受けた申告書と確認のために要した書類を提出していきます。
※提出していく申告書様式は各地方自治体の様式となります。
制度の利用
この制度は家屋の固定資産税等と償却資産税が対象となるため、土地の固定資産税等は基本的には対象となりませんので、すべての固定資産税等が減免されるわけではありません。
法人の場合、自社利用の家屋・不動産貸付事業を行っている家屋・償却資産税などが対象と想定されますので、新型コロナウイルス感染症の影響により売上が減少している場合には2021年の固定資産税等の支払をおさえることができますので、積極的に利用していくことがよろしいかと思います。
個人の場合、個人事業主の事業に利用している店舗・事務所などの自己所有の家屋のうち事業専用割合部分が該当すると想定されますので、新型コロナウイルス感染症の影響により売上が減少している場合には2021年の固定資産税等の支払をおさえることができますので、積極的に利用していくことがよろしいかと思います。
さらに不動産貸付事業を行っている個人の場合は、テナントオーナーで店舗・事務所の家賃の減免・猶予などを行っている場合などが対象と想定されますので、新型コロナウイルス感染症の影響により家賃の減免・猶予などを行っており、全体の家賃収入が減少している場合は2021年の固定資産税等の支払をおさえることができますので、積極的に利用していくことがよろしいかと思います。
基本的に家屋の固定資産税等の減免が大きなウエイトを占めていきますので、自社ビルなど大きな不動産を所有の方・多数の不動産をお持ちの方・築年数の浅い家屋をお持ちの方などがより大きくこの制度の効果を受けることができると思います。認定経営革新等支援機関等に確認を受けるなど手間な部分もありますが、うまく利用することで来年の固定資産税等をおさえることができますので有効活用してみてはいかがでしょうか。
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