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「事業継続力強化計画ってご存じですか?」

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事業継続力強化計画の概要

最近では地震や大雨などによる自然災害が全国各地で発生しています。さらに、新型コロナウイルス感染症などによる自然災害以外の災害も発生しています。
中小企業は色々な災害に見舞われた場合に、事業の継続化が難しい状態に陥り、災害による企業の倒産などを余儀なくされる可能性があります。
そのため、中小企業庁は、中小企業の自然災害等に対する事前対策を促進するため、「中小企業の事業活動の継続に資するための中小企業経営強化法等の一部を改正する法律(中小企業強靭化法)」を提出し、令和元年5月29日に成立し、同年7月16日に施行されました。
中小企業強靭化法は、自然災害による被害を防ぐための備えや自然災害による被害を最小限に抑えるための備えに取り組む中小企業がその取り組みを「事業継続力強化計画」としてとりまとめ、国が認定する制度を創設しました。また、その後感染症対策に関する事業継続力強化計画の認定もスタートしています。

事業継続力強化計画の認定制度

事業継続力強化計画の認定は、防災・減災の事前対策に関する事業継続力強化計画を策定し、経済産業大臣に申請していきます。経済産業大臣から認定を受けることで事業継続力強化計画の認定を受けることができます。
認定を受けた企業は、中小企業庁HPでの企業名と事業者HPが公表され、さらに認定企業のロゴマークを使用することができます。
事業継続力強化計画申請の概要は下記の通りとなります。

・認定対象事業者
防災・減災に取り組む中小企業・小規模事業者

・事業継続力強化計画の記載項目
事業継続力強化に取り組む目的の明確化
ハザードマップ等を活用した、自社拠点の自然災害リスク認識と被害想定策定
災害時の初動対応手順(安否確認・被害の確認・発信手順等)の策定
ヒト・モノ・カネ・情報を災害から守るための具体的な対策
計画の推進体制(経営層のコミットメント)
訓練実施・計画の見直し等・取り組みの実効性を確保する取り組み
(連携して取り組む場合)連携の体制と取り組み、取り組みに向けた関係会社の合意

事業継続力強化計画の優遇措置

事業継続力強化計画の認定を受けた企業には、下記のような支援策が用意されています。

・低金利融資・信用保証枠の拡大などの金融支援措置
・防災・減災設備に対する特別償却などの税制支援措置
・ものづくり補助金などの補助金の優先採択措置
・連携をいただける企業や地方自治体などからの支援措置

このうち、税制支援措置に関してですが、防災・減災関連の設備投資を加速化するため、中小企業防災・減災投資促進税制が創設され、税制の概要としましては、下記の通りなります。

・対象者:経済大臣による防災・減災対策に関する計画の認定を受けた者
・支援措置:特別償却20%
・対象設備:機械装置(100万円以上)・・・自家発電機・排水ポンプ など
      器具備品(30万円以上)・・・制震免震ラック・衛星電話 など
      附属設備(60万円以上)・・・止水板・防災シャッター・排煙設備 など

まとめ

昨今、企業は地震や大雨などによる自然災害のリスク、新型コロナウイルス感染症などによる感染症のリスク、外部からのサイバー攻撃などよる情報漏洩のリスクなど数多くのリスクにさらされながら、事業を行っています。
何か災害に見舞われたときに事業を続けていけなくなってしまっては、お客様・働く人々などに多大な迷惑がかかってしまいます。
いつどのような災害に襲われるかもわかりませんので、少しずつでも災害対策を取っておくことが今後企業にとって重要な課題となってまいります。
そんな状況の中で事業継続力強化計画の認定がスタートされました。色々な支援・優遇措置もありますので、この機会に自社独自や関係会社と協力して事業継続力強化計画の認定を検討してみてはいかがでしょうか。



税理士 中村 武志

●「新型コロナウイルスの影響による路線価等の補正および贈与税の申告・納付期限の延長」
●「新型コロナウイルス感染症による健康保険の減免」
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