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「令和元年度の所得税及び消費税調査等の状況」

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所得税及び消費税調査等の状況

国税庁より令和元年7月から令和2年6月までの所得税及び消費税調査等の状況が発表されました。
令和2年10月より税務調査が再開されることとなったが、新型コロナウイルス感染症の影響により税務調査が実施できなかった状況下での発表となりました。

・所得税の調査等の状況
税務調査等の件数:43万1千件(前年61万1千件)
申告漏れ等の件数:26万3千件(前年37万4千件)
申告漏れ所得金額:7,885億円(前年9,041億円)
申告漏れ追徴税額:1,132億円(前年1,195億円)

・消費税の調査等の状況
税務調査等の件数:6万7千件(前年8万6千件)
申告漏れ等の件数:4万5千件(前年6万2千件)
申告漏れ追徴税額:304億円(前年345億円)

この中には、実際に訪問して行う実地調査と文書や電話による連絡などの簡易の接触よる調査を含んだ件数となっています。
新型コロナウイルス感染症の影響により税務調査を行うことができなかったことにより、大幅に調査件数が減少していることがわかります。

富裕層に対する調査状況

有価証券・不動産等の大口所有者は、各国税局に富裕層プロジェクトチームが設置され、積極的に調査が実施されています。
新型コロナウイルス感染症の影響下により調査件数は、4,463件(前年5,313件)と前年に比べ少なくはなっておりますが、申告漏れ所得金額は789億円で、追徴税額は259億円となりました。この申告漏れ所得金額と追徴税額は共に過去最高の金額となっています。

海外投資等を行っている個人に対する調査状況

海外投資を行っている個人や海外資産を保有している個人などに対して、積極的に調査が実施されています。
新型コロナウイルス感染症の影響下により調査件数は、3,942件(前年4,375件)と前年に比べ少なくはなっておりますが、申告漏れ所得金額は948億円で、追徴税額は247億円となりました。

インターネット取引を行っている個人に対する調査状況

インターネット取引を行っている個人に対して、積極的に調査が実施されています。
新型コロナウイルス感染症の影響下により調査件数は、1,877件(前年2,127件)と前年に比べ少なくはなっておりますが、申告漏れ所得金額は237億円で、追徴税額は65億円となりました。この追徴税額は過去最高の金額となっています。

無申告者に対する調査状況

無申告は、申告納税により適正な納税をしている納税者に不公平感をもたらすこととなるため無申告者に対して、積極的に調査が実施されています。
新型コロナウイルス感染症の影響下により調査件数は、7,328件(前年8,147件)と前年に比べ少なくはなっておりますが、申告漏れ所得金額は1,583億円で、追徴税額は174億円となりました。

個人の1件当たりの申告漏れ所得金額が高額な上位10業種は下記の通りとなります。

単位:万円

順位 業種目 申告漏れ所得金額 追徴税額
1 風俗業 3,373 1,053
2 経営コンサルタント 3,321 1,354
3 キャバクラ 2,873 822
4 太陽光発電 1,718 294
5 システムエンジニア 1,280 190
6 土木工事 1,225 185
7 ダンプ運送 1,212 179
8 タイル工事 1,197 177
9 冷暖房設備工事 1,187 199
10 清掃業 1,182 158

税務調査の状況

新型コロナウイルス感染症の影響により調査件数が少ない中でも富裕層とインターネット取引に対する追徴税額が過去最高となっていました。今までよりもそれだけ調査一件当たりの追徴税額が大きいことがわかります。

国税庁が主な取組として発表しているように、富裕層・海外投資・インターネット取引・無申告者に対して、積極的に調査実施されていることがわかります。
特に無申告の場合、過去に遡って申告を行うため、追徴税額が多くなることが想定されます。
確定申告の時期も近づいてまいりましたので、適切な申告・納税を心がけていきましょう。

また、今後もコロナ禍の中、税務調査が再開されたとは言っても、新型コロナウイルスの第3波も来ており、実際に実施できる税務調査はまだまだ少ない状況になることが予想されます。しかし、税務調査を行わなくてはならない状況もありますので、今後、どのように税務調査が進められていくか注目していきたいと思います。




税理士 中村 武志

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