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「株式投資と税金について」

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株式投資について

昨今、NISAの登場により株式投資を始める方が増えてまいりました。
また、コロナ禍の中29年ぶりに日経平均株価が26,000円を超えて、さらに株式投資に注目が集っています。

株式投資は、配当金や株式の売却に対して所得税などの税金がかかるため、確定申告が必要な場合があります。
株式投資と確定申告や源泉徴収などの税金の関係について、ここでは見ていきたいと思います。

株式投資と口座

株式投資を行う場合、NISA口座・特定口座・一般口座に分かれてきます。

・NISA口座は、非課税口座となっており、NISA口座で取得した5年間の運用益は非課税として扱われるため、税金はかかりません。

・特定口座は、証券会社などが管理する口座で、1年間の損益を計算した年間取引報告書が作成されます。また、特定口座は「源泉徴収あり」

・「源泉徴収なし」を選択することで、確定申告の取り扱いが異なります。

・一般口座は、NISA口座・特定口座で管理していない上場株式等を管理する口座で、ご自身で損益の計算などを行っていきます。

各口座の源泉徴収

・NISA口座の場合、非課税口座になりますので、配当金・譲渡益が発生しても非課税のため、源泉徴収されることはありません。

・特定口座の源泉徴収ありの場合、上場株式の配当金には20.315%(所得税15.315%・住民税5%)が源泉徴収されます。また、上場株式の譲渡益についても20.315%(所得税15.315%・住民税5%)が源泉徴収されます。

・一般口座・特定口座の源泉徴収なしの場合、上場株式の配当金には20.315%(所得税15.315%・住民税5%)が源泉徴収されます。しかし、上場株式の譲渡益については源泉徴収されません。

各口座の確定申告
・NISA口座の場合、非課税口座になりますので、確定申告を行うことはできません。

・特定口座の源泉徴収ありの場合、事前に源泉徴収されているため、確定申告の申告不要を選択することができます。ただし、確定申告をすることも可能です。

・一般口座・特定口座の源泉徴収なしの場合、上場株式の譲渡益が発生した場合には原則として確定申告が必要となります。

上場株式等の配当金

特定口座・一般口座に入金される上場株式等の配当金は、源泉徴収されていますので、確定申告に関しては、申告不要・申告分離課税・総合課税を選択することができます。

・申告不要を選択する場合:上場株式等の配当金の源泉徴収が完了していますので、申告不要を選択していきます。申告不要を選択することで扶養控除等の判定に使われる合計所得金額には含まれなくなります。

・申告分離課税を選択する場合:上場株式等の配当金の源泉徴収が完了していますので、申告は不要ですが、申告分離課税を選択する場合は上場株式等の譲渡損失が発生している場合には損益通算することができますので、確定申告することで上場株式等の配当金の源泉所得税の還付を受けることができます。

・総合課税を選択する場合:総合課税の場合、配当控除を受けることができます。配当控除は上場株式等の配当金の10%の税額控除を受けることができます。ただし、外国法人から受け取る配当所得については配当控除を受けることはできません。総合課税の場合、累進課税により所得税を計算していきますので、源泉徴収されている所得税より総合課税で計算した所得税が低い場合には、総合課税で確定申告することで所得税の還付を受けることができます。

上場株式等の譲渡所得

特定口座の「源泉徴収なし」や一般口座で上場株式等の譲渡益が発生した場合には原則として申告分離課税で確定申告を行っていく必要があります。

特定口座の「源泉徴収あり」の場合には、源泉徴収が完了していますので、申告不要を選択することができます。
しかし、上場株式の譲渡損失が生じた場合には、譲渡損失は3年間繰り越すことができますので、申告の必要が無くても確定申告を行った方が良い場合があります。また、特定口座をいくつかお持ちの場合、譲渡益が発生した口座と譲渡損失が発生した口座を通算することで所得税の還付を受けることもできます。

まとめ

株式投資の税金に関しては、口座や取り扱いが色々と異なるため、複雑になっていきます。
確実に利益が見込まれる投資に関しては、NISA口座で非課税の規定を受けることがよろしいかと思います。

通常の株式投資の場合、特定口座の源泉徴収ありを選択しておくことで、申告不要や確定申告を利用して所得税の還付を受けることができるようにすることができます。

給料などの所得が少ない方は、配当金を総合課税にすることで所得税の税率を抑えることができ、住民税は申告不要を選択すると低い税率で抑えることができます。

上場株式の譲渡損が発生する場合には、譲渡損と配当金を確定申告することで配当金の源泉所得税の還付を受けることも可能ですし、譲渡損を3年間繰り越すこともできます。

色々な理由により合計所得金額を低く抑えたい方には、申告不要を選択して確定申告をあえて行わないこともできます。
特定口座を複数お持ちでしたり、それぞれの立場により選択肢が増えていきますので、よく検討しながら確定申告を行っていくことをおすすめします。




税理士 中村 武志

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