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「不動産経営に重要な管理費について」

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管理費とは

不動産投資を行う場合、毎月または臨時のコストとして管理費がかかります。管理費といっても家賃の管理などのPM(プロパティマネジメント)費用と建物自体の管理などのBM(ビルマネジメント・ビルメンテナンス)費用に分けられます。
不動産管理会社に支払うPM費用・BM費用を業務とともに見ていきたいと思います。

PM費用

PMとはプロパティマネジメントの略であり、賃貸物件に関係する人に関する管理業務であり、空室物件の募集業務・契約締結業務・入居者の対応業務・家賃管理業務・滞納者の督促業務・退去者の解約業務などがこれに当たります。

主に支払っていくPM費用としましては、毎月の家賃の3~7%と賃貸不動産の契約締結時に家賃の1~2ヶ月分と賃貸不動産の更新時に家賃の0.5~1ヶ月の費用がかかってまいります。それぞれ不動産管理会社によって多少なりとも金額は変わってきますので、お願いする不動産管理会社の金額・内容の選定が重要となってまいります。

BM費用

BMとはビルマネジメント・ビルメンテナンスの略であり、賃貸物件自体の建物に関する管理業務であり、日常清掃業務・設備の管理点検業務・巡回見回り業務・植栽管理業務などがこれに当たります。

BM費用は所有の物件の内容により大きく異なります。物件が小さい場合、清掃業務など簡単な業務にとどまるため、金額は小さくなりますが、物件が大きい場合、エレベーター保守などが加わってまいりますので、金額は大きくなってきます。また、PM費用と異なり、毎月の家賃に影響されるのではなく、固定でかかってきますので、お願いする管理業務の内容の選定が重要となってまいります。

区分所有マンションの管理費

区分所有のマンションのBM費用は、マンション管理組合に支払う管理費・修繕積立金がこれに当たります。管理費はマンションの日常的な維持管理を目的とした費用で、修繕積立金はマンションの将来の修繕ために積み立てられる費用となります。

管理費・修繕積立金は築年数が古い物件がより多くかかる傾向にあります。これは、元々、積み立てられていた修繕積立金が少なく、実際にかかる修繕のお金が多くかかってしまうなど積み立てる金額を増やしていく傾向にあり、築年数が進むにつれマンションの修繕も多くかかるなどがこれに起因していきます。ただ、場合によっては管理費・修繕積立金を下げることもできます。マンション管理組合の組合員は、マンションの区分所有者で構成されるため、マンション管理組合の収支が改善されることで、将来的に管理費・修繕積立金を下げるまたは維持することもできますので、マンション管理組合の内容についても注意していくことが必要となります。

区分所有のマンションのPM費用は、入居者の家賃管理費・更新手数料と入居時の契約手数料などがこれに当たります。通常、区分所有マンションの販売会社が家賃管理を行っている場合が多く、入居者の家賃に対する管理費が高い場合など不動産管理会社の見直しが必要となってまいります。また、販売会社の経営不振により家賃が支払われないまま倒産するなどの事例もありますので、注意が必要です。

家賃の管理はご自身でもできますので、入居者から直接家賃を振り込んでもらうケースもあります。しかし、家賃の滞納やクレームの対応もご自身である程度行わなくてはならなくってしまいますので、状況に応じて考えていく必要があります。

一棟所有の管理費

一棟所有のBM費用は、所有のアパート・マンションの日常清掃・蛍光灯の交換などがこれに当たります。マンションなど大きな物件に関しては、エレベーターの保守点検・貯水槽の清掃などもかかってまいります。

お持ちのアパート・マンションがお近くの場合には、ご自身で日常清掃などを行うこともできます。また、不動産管理会社のBM費用の支払金額が多くかかっている場合には、不動産管理会社の変更や内容に応じてそれぞれ業者に直接依頼していくことで金額を下げることが可能となっていく場合もありますので、色々な見直しをしていくのも一つの方法です。

一棟所有のPM費用は、区分所有のマンションと同様に入居者の家賃管理費・更新手数料と入居時の契約手数料などがこれに当たります。一棟所有の物件の場合、入居者の数も多くなるため、不動産管理会社にお願いしていくのが通常となってまいりますが、不動産管理会社にお願いすると毎月の家賃管理表なども作成してもらえるので便利です。ただ、入居者の家賃に対する管理費の割合が高い場合に不動産管理会社を変更するなどの見直すことで、一棟所有の場合、家賃の金額も大きくなりますので、管理費を少なくする効果が大きく出てまいります。

管理費の見直し

通常、PM費用・BM費用などの管理費は当然のように毎月支払っており、特に金額を気にせず当たり前のように支払っている方が大半かと思います。

これらの管理費についても内容の見直しや不動産管理会社の変更などでコストを削減することは可能です。管理費の支払を削減して、毎月の収支を改善していく方向で考えてみてはいかがでしょうか。
ただ、コストの削減だけを考えてしまうと不動産の価値を下げてしまうこともありますので、バランスを取った支出と効果を考えていくことが重要となってまいります。



税理士 中村 武志

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