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「与党税制改正大綱(個人を中心として)」

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税制改正大綱

令和2年12月10日に自由民主党・公明党より、令和3年度の税制改正大綱が発表されました。

令和2年は新型コロナウイルス感染症の影響により4月に「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策における税制上の措置」が税制改正として決定されたところである。

今回の税制改正は成長戦略の柱に経済と環境の好循環を掲げ、グリーン社会実現のため、2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、「2050年カーボンニュートラル」の実現を目指すこととし、税制面も必要な支援としていくこととすることが、今後の大きな流れとなっていますが、直接、近い将来影響が出てくる改正項目を中心として、主な税制改正大綱を簡単にですが見ていきたいと思います。

住宅ローン減税

住宅ローン減税を受けるための主な要件としては①床面積が50㎡以上であり、②借入金の返済期間が10年以上であり、③本人の合計所得金額3,000万円以下であり、④所得税の確定申告をすることなどがあります。

消費税が増税されたことに伴い、住宅の取得等が特別特例取得に該当する場合には、令和2年12月31日までに入居しているものは控除される期間が10年から13年に延長されていました。

この住宅の取得等が特別特例取得に該当する場合の控除される期間が13年に延長されていたものが、令和3年1月1日から令和4年12月31日までに居住の用に供した住宅ローンに関しても控除される期間が13年に延長されました。ただし、住宅を新築する場合には令和2年10月1日から令和3年9月30日までに契約されたもの、住宅を購入・中古住宅・増改築等の場合には令和2年12月1日から令和3年11月30日までに契約されたものであることが条件となります。

また、住宅ローン減税の床面積の要件が40㎡以上50㎡未満である住宅に関しても住宅ローン減税の適用を受けることができるようになりました。ただし、この場合の合計所得金額の要件は1,000万円以下の場合に適用することができます。

住宅取得等資金の贈与税非課税

住宅取得等資金の贈与税非課税について、消費税率が10%の住宅を取得する場合、令和3年4月1日~令和3年12月31日の家屋の契約締結に関しても、一般住宅の場合1,000万円(省エネ等住宅の場合1,500万円)に引き上げられることとなりました。

土地等の固定資産税

宅地等及び農地の固定資産税について、令和3年度は負担軽減措置として、令和2年度の課税標準額と同額とする。

教育資金贈与等の非課税

令和3年3月31日までの期限となる教育資金贈与等の非課税について、その適用期限が2年延長されることとなりました。
しかし、令和3年4月1日以降の信託等については、贈与者が死亡した場合には、受贈者が23歳未満の場合や学校等に在学している場合などを除いて相続税の課税対象として、相続税が課税される。また、受贈者が孫などの場合には、相続税額の2割加算の対象となる。

退職所得課税

退職金を受け取る場合、源泉分離課税となり、退職金から退職所得控除額を差し引いた金額に2分の1をした課税退職所得金額に所得税率を乗じて所得税を計算していきます。退職金としてもらう場合、有利な方法で所得税を計算することができます。

しかし、役員等が5年以下の短期での退職する場合、2分の1の課税適用はないこととなっていたが、今回の改正により、従業員に関しても課税退職所得金が300万円を超える部分については、2分の1の課税適用がなくなることとなりました。
この改正は令和4年以降の退職から適用されることとなります。

押印義務の廃止

令和3年4月1日以降に提出する税務関係書類は実印と印鑑証明書の提出が求められるものを除き、押印が不要となります。




税理士 中村 武志

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