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若手士業イノベーション協会×DREAMJOB Innovation lab「相続をスムーズに進めるための遺言書の活用」

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相続が発生した時の問題

私が税理士という立場もありますが、生前相続の御相談に来られる方は、相続税の心配をされている方が多数を占めます。相続税は多額になることが多く、心配される気持ちもわかりますが、実はもっと大事な問題が隠れている場合があります。

実際に相続が発生しますと相続税よりも遺産分割の方が多くの時間を要し、頭を悩ませることが多くあります。遺産分割協議とは各相続人が話し合い、誰がどの財産をどのぐらい受け取るかを協議し合意していくことを言い、それぞれの相続人は少しでも多く財産をほしいという方がいたり、均等に分けられないと納得しない方がいたり、特定の財産をほしいという方がいたりと中々まとまらないこと多くあります。
また、過去の話を持ち出して感情的な話し合いとなり、弁護士が介入して調停などで話し合わなくてはならないケースもあります。

このような相続の問題を回避する方法として、遺言書があります。
全ての問題がなくなるわけではありませんが、簡単な遺言書一つあるだけでも問題とならない場合やスムーズに話し合いができるケースが多くあると思います。




遺言書の種類

遺言書には、「自筆証書遺言」・「公正証書遺言」・「秘密証書遺言」の三種類の遺言があります。

  • 自筆証書遺言・・・遺言者が本文・氏名・日付の全てを自筆で作成する遺言
  • 公正証書遺言・・・遺言書を公正証書にしたもので、公証役場で作成する遺言
  • 秘密証書遺言・・・遺言者が自分で書いた後に、公証人と証人にその存在を確認してもらい、秘密に保管しておく遺言

それぞれ御本人の状況に合わせて、遺言を作成していくことはいかがでしょうか。また、法的な拘束力はありませんが、エンディングノートなどで御自身の意思を表明しておくことも遺産分割協議を進めていく上で、指針となることもあります。

自筆証書遺言の改正

これまで自筆証書遺言は全文自筆で作成することが必要であったため、遺言書一つ書くのも大変でしたが、平成31年1月より遺言書の中の「財産目録」はパソコンで作成することができるようになりました。

令和2年7月10日からは「法務局における自筆証書遺言保管制度」ができ、これまで自宅などで自筆証書遺言は保管しなければなりませんでしたので、紛失・廃棄・改ざんなどのリスクがありましたが、安全な保管場所で保全されるため、そのようなリスクを避けることができるようになります。

それ以外にも法務局に保管の申請をすると、形式的な部分になりますが遺言書の確認をしてもらえます。
また、自筆証書遺言は相続発生後、家庭裁判所に持ち込んで検認手続が必要となりますが、この自筆証書遺言保管制度では、検認手続が要らなくなります。

この自筆証書遺言保管制度は、遺言書1件当たり3,900円の遺言保管手数料でできるため、比較的安価に遺言書の作成・保管ができます。

遺言書の活用

既に遺言の内容が決まっている方などきちんとした形で遺言書を作成するためには、専門家に相談して公正証書遺言を作成することをおすすめしますが、将来の相続の争いを少しでも回避するためには、自筆証書遺言やエンディングノートを作成して、御自身の意思を残しておく方が良いと思います。

また、自筆証書遺言を作成していく上では、法務局における自筆証書遺言保管制度を有効活用して、安全に保管していくことを検討してみてはいかがでしょうか。



税理士 中村 武志

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