DREAMJOB Innovation Lab

若手士業イノベーション協会×DREAMJOB Innovation lab
「住宅を購入するときに知っておきたい税金の優遇」

住宅購入と税制優遇

令和1年10月より消費税率が8%から10%に増税されたことに伴い、住宅を購入する際に利用できる税制などの優遇が拡充・新設されました。
税制などが優遇される措置としては、主に住宅ローン減税・住宅取得等資金の贈与税非課税・すまい給付金・次世代住宅ポイントがあります。

令和2年中に期限が来てしまうものや既に優遇される期限が過ぎてしまっているものもありますが、今現在住宅の購入を検討している方や今年住宅を購入した方など、優遇できる措置を十分に活用していただければと思います。


住宅ローン減税

住宅ローン減税は、住宅ローンを借り入れて住宅を取得する場合に、年末の住宅ローン残高1%を所得税から控除することができます。さらに所得税から控除しきれない場合には住民税からも控除することができます。

住宅ローン減税を受けるための主な要件としては①床面積が50㎡以上であり、②借入金の返済期間が10年以上であり、③本人の合計所得金額3,000万円以下であり、④所得税の確定申告をすることなどがあります。

消費税が増税されたことに伴い、令和2年12月31日までに入居しているものは控除される期間が10年から13年に延長されました。
令和2年・令和3年の住宅ローン減税される金額は下記の通りとなります。

令和2年
(特別特定取得)
令和3年
(特定取得)
令和2年・令和3年
(特定取得以外)
・1年目~10年目
年末残高等×1%
・11年目~13年目
①年末残高等×1%
②(住宅取得等の対価△消費税)×2%÷3
いずれか少ない金額
(上限額40万円)
・1年目~10年目
年末残高等×1%
(上限額40万円)
・1年目~10年目
年末残高等×1%
(上限額20万円)

※特定取得とは、住宅の購入に含まれる消費税等が8%または10%の場合で、特別特定取得とは、住宅の購入に含まれる消費税等が10%の場合である。つまり、個人間売買により住宅を購入する場合など、消費税等の記載が無い場合には特定取得以外となる。

※認定長期優良住宅や認定低炭素住宅の場合には、上限額がそれぞれ50万円・30万円に増額される。

住宅取得等資金の贈与税非課税

住宅取得等資金の贈与税非課税は、父母・祖父母などの直系尊属から住宅を購入するための資金の贈与を受けた場合に、一定の金額まで贈与税の非課税を受けることができます。

住宅取得等資金の贈与税非課税を受けるための主な要件としては、①本人が20歳以上であり、②直系尊属からの贈与であり、③床面積が50㎡以上240㎡以下であり、④本人の合計所得金額が2,000万円以下であり、⑤期限内に贈与税の確定申告をすることなどがあります。

消費税が増税されたことに伴い、非課税の枠が増額されました。

令和2年・令和3年の住宅取得等資金お贈与税非課税の限度額は下記の通りとなります。

・消費税率10%の住宅を取得する場合

家屋の契約の締結日 一般の住宅 省エネ等住宅
平成31年4月1日~
令和2年3月31日
2,500万円 3,000万円
令和2年4月1日~
令和3年3月31日
1,000万円 1,500万円
令和3年4月1日~
令和3年12月31日
700万円 1,200万円


・上記以外の住宅を取得する場合

家屋の契約の締結日 一般の住宅 省エネ等住宅
平成31年4月1日~
令和2年3月31日
700万円 1,200万円
令和2年4月1日~
令和3年3月31日
500万円 1,000万円
令和3年4月1日~
令和3年12月31日
300万円 800万円

※上記以外の住宅とは、消費税率が8%の住宅を取得した場合や個人間売買により住宅を購入する場合などがこれに当たります。

すまい給付金

すまい給付金は、所得が低い方は、住宅ローン減税の控除をしきれないことから、その分を補うために住宅を購入した人に現金が給付される制度である。

すまい給付金を受けるための主な要件としては、①床面積が50㎡以上であり、②品質が担保されていること、③本人の収入が一定以下であり、④住宅ローンを利用しているか、住宅ローンを利用していない場合50歳以上であり、⑤すまい給付金の申請をすることなどがあります。

消費税が増税されたことに伴い、給付を受けることができる人が拡大され、給付金の上限が30万円から50万円に増額されました。
住宅ローンを利用する場合のすまい給付金が給付される年収の目安としましては、下記の通りとなります。

収入額の目安 給付基礎額
450万円以下 50万円
450万円超525万円以下 40万円
525万円超600万円以下 30万円
600万円超675万円以下 20万円
675万円超775万円以下 10万円

※実際には住民税の所得割額で判断していきます。家族構成などにより所得控除の金額は変わってきますので、実際の収入額とは異なります。

次世代住宅ポイント

次世代住宅ポイントとは、消費税率10%が適用される省エネ等の一定の住宅を新築またはリフォームされた方に対し、さまざまな商品と交換できるポイントを発行する制度です。令和2年3月31日までの契約が対象となっていましたが、新型コロナウイルスの影響により契約できなった場合には、令和2年8月31日までの契約が対象となります。

消費税増税に伴い、新たに創設された制度ですが、既に終了しています。

新型コロナウイルスと自宅購入

ここまで見てきた通り、消費税増税のタイミングに合わせて住宅の優遇措置が始まり、令和2年3月31日までに住宅を購入すると住宅の優遇を最大限に利用することができました。

現状の法令では、令和3年以後、優遇される措置が少なくなってまいりますが、今回の新型コロナウイルスの影響により、住宅関係の税制改正がどのように行われるか今後の動向に注目が必要です。

今後の税制改正は不透明ですが、税制の優遇を注視しながら、自宅の購入を検討してみてはいかがでしょうか。




税理士 中村 武志