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相続サポートセンター東京×DREAMJOB Innovation Lab「相続や贈与による土地の評価はどう計算するのか?」

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相続や贈与等が発生すると、おのずと相続税や贈与税が関わってきます。ですが一般の方からするとどうやって相続税や贈与税が決定されるのか疑問に思われるかと思います。
相続税や贈与税(各種税金)には、様々な複合要素と計算式を用いて計算をします。今回はその基本となる計算方法の為の「土地」の評価について焦点を当てます。




土地の評価方法には2つある

財産を相続や贈与で取得した際にかかる相続税や贈与税などを計算する際には、財産を評価する際には時価で評価します。銀行の預貯金などは残高がわかるので計算しやすいですが、土地についてはいくつかの評価額があります。

①固定資産税評価額
所在する市区町村が固定資産税評価基準に基づいて決定され、その基準のもとになるのが固定資産税路線価です。固定資産税路線価は、公示時価のおよそ7割程度の価格となるように評価されており、3年に1度に更新されます。

②公示価格・基準地価
公示価格は国土交通省が、基準地価は都道府県、がそれぞれ利用状況、周辺環境、地積、形状を考慮して評価される金額で、土地鑑定委員会と不動産鑑定士が評価して決定します。

③相続税評価額
相続税や贈与税を計算する基になる評価額です。一般に公示価格などの80%くらいになるように評価されます。この相続税評価額を計算する方法には、路線価方式と倍率方式があります。



相続税評価額の計算方法は2種類ある

①倍率方式
倍率方式とは、固定資産税評価額に国税局長が一定の地域ごとにその地域の実情に即するように定める倍率を乗じて計算した金額によって評価する方式をいいます。

②路線価方式
路線価方式とは、市街地的形態を形成する地域の路線(不特定多数が通行する道路のことをいいます。)に面する宅地1㎡当たりの価格に面積をかけて計算します。立地条件の良い角地は、側方路線影響加算率を乗じ評価額を高くし、間口の狭い土地は間口狭小補正率を乗じ評価額を低くするなどの調整を加えています。路線価の公表は、公示時価、不動産鑑定士による鑑定評価、取引事例などをもとに国税庁が行っています。

この路線価は毎年7月1日には発表されます。



令和2年度の路線価が発表されました

国税庁は7月1日、相続税や贈与税の算定基準となる2020年(令和2年)の路線価を発表しました。路線価は、毎年1月1日を評価時点として、地価公示価格等を基として算定した価格の80%により評価したものです。

今年の路線価の全国の平均変動率は、21の都道府県で去年を上回り、全国の平均も去年より1.6%上がって5年連続で上昇しました。変動率の調査を開始した1992年以降、初めて5年連続で上昇しました。再開発などの影響や去年までの雇用状況の改善や外国人観光客の増加が続いた効果などで、大都市圏の上昇基調が地方都市にも拡大したものと思われます。

都道府県別の平均の路線価は、21の都道府県で去年を上回りました。上昇率が最も高かったのは、沖縄で10.5%、次いで東京が5%、宮城と福岡が4.8%、北海道が3.7%、京都が3.1%などとなっています。

この路線価のもとになる公示価格などは、1月1日を基準としています。その後、現在の新型コロナウイルスの影響によりインバウンドが激減し、経済活動の停滞で不動産売買が減少しています。国税庁は、今後の地価の推移によっては路線価の減額修正を可能にする措置を導入することも考えている模様です。





相続サポートセンター東京(税理士法人スーゴル)  資産税部 部長 川島 紀之

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