DREAMJOB Innovation Lab

【リーブス倶楽部×DREAMJOB Innovation Lab】不動産の生前贈与のメリット・デメリットは?(その1)

tag: /

ご自宅や所有しているアパート、賃貸駐車場などを、子や配偶者などに贈与したいという相談をよく受けます。

しかし、生前贈与には主に税務面で気を付けなければいけない点がたくさんあります。特に不動産の贈与の場合は、独自の課税制度もありますので、さらに気を付ける必要があります。


贈与のメリット・デメリット

結論から言いますと、不動産の生前贈与を検討した方がいいパターンというのは、私の経験上、次の3つに絞られます。

  • 1.「かなりの」資産家の相続税対策
  • 2.家族間の仲が最悪な場合の“争族”対策
  • 3.相続人以外に贈与する場合

この3パターンに当てはまらない場合は、生前贈与ではなくて遺言書等の方法を用いて名義変更をした方が、税務コストが抑えられることがほとんどです。

不動産の生前贈与は、以下の3つの税金が対象となります。

  • 1.贈与税
  • 2.登録免許税
  • 3.不動産取得税



当事務所にご相談に来る人では、1の贈与税については自分であらかじめ調べている人が多いように感じます。ここでは詳しい説明は省きますが、長い婚姻期間がある夫婦間での贈与では配偶者控除の特例が使えたり、子や孫への贈与では相続時精算課税の制度を活用したり、場合によって贈与税の納税額が減ったり納税自体不要になることもあります(税務申告は必要です)。

そのこと自体は間違いないのですが、税務コストはトータルで考える必要があります。問題は2の登録免許税と3の不動産取得税です。

盲点の登録免許税と不動産取得税

不動産の名義変更時には、「所有権移転」という不動産登記を行いますが、「相続」を原因とした移転の場合は、対象物件の固定資産評価額の0.4%の登録免許税が課税されますが、「贈与」の場合はそれが2.0%になってしまいます。相続を原因とする場合より実に5倍もの課税がされてしまうのです。これは夫婦間、親子間であろうが、他人への贈与であろうが一切関係なく、贈与による移転である以上一律2.0%の税額を納める必要があります。
なお、登録免許税は不動産登記の申請時に法務局に納めます。登記の申請書に税額分の収入印紙を貼って納める方法が一般的です。

また、不動産を贈与により取得すると、不動産取得税が課税されます。自宅かそれ以外か、土地か建物かなどによって税率は変わりますが、対象物件の評価額の1.5%(宅地の場合、評価額の2分の1の3.0%)から4.0%程度の税額が発生します。物件の取得日から数か月後に、県税事事務所(東京都の場合は都税事務所)から納付書が送られてきますので、銀行等にて支払うことになります。
一方、相続により不動産を取得した場合は、不動産取得税はそもそも課税されません。評価額がどんなに高くても一切課税されないのです。

実際の不動産の贈与を検討されている方は、夫婦間の贈与、子または孫への贈与ということがほとんどです。
そのため、「調べてみたけど贈与税の心配は無いんですよね?」というところまで把握されている方は多いですが、2と3についてはご存知ない方が多いです。

事例

例えば評価額が1000万円の土地と500万円の建物につき、相続する場合と贈与する場合で考えてみましょう。
相続の場合は、土地・建物の評価額1500万円の0.4%の登録免許税が発生しますので、その額は6万円になります。不動産取得税は0円です。
一方、贈与の場合は、1500万円の2.0%の登録免許税が発生しますので、その額は30万円になります。そして不動産取得税は土地(2分の1の評価額の3.0%で計算)が15万円、建物(税率3.0%で計算)15万円で、合わせて30万円の税額となり、登録免許税と合算すると実に60万円もの税金が発生してしまいます。


そもそも相続税の節税目的で贈与を検討している場合、不動産の贈与を行うことで将来的な相続税が抑えられる効果があったとしても、登録免許税や不動産取得税で余計な課税がされてしまえば、元も子もありません。

それでは、それでも不動産の生前贈与が有効なケースとはどのような場合なのでしょうか?

次回にて詳しく説明していきたいと思います。



ひまわり司法書士法人 代表司法書士 本松 紳司

【著者関連記事】
●「不動産の生前贈与のメリット・デメリットは?(その2)」
●「住宅ローンの支払いがつらい・・・ローン付きの自宅は売却できるの?」


★よく読まれている記事★