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発行 あいおいニッセイ同和損害保険株式会社
編集 DREAMJOB Innovation Lab

デジタル手続法(デジタルファースト法)について

皆様はデジタルファーストという言葉を聞いたことがあるでしょうか?実は行政手続きを原則デジタル化する「デジタル手続法(デジタルファースト法)」が2019年5月24日、参院本会議で可決、成立しました。
国の行政機関に対して行政手続きを原則としてインターネットで受け付けられるようにすることを国が決定したのです。

煩雑な産業廃棄物に関する手続き

例えば産業廃棄物に関する手続きでも、収集運搬業や積替え保管、中間処理や施設設置許可などなど、多くの行政手続きがありますが、いちばん困るものが、いわゆる行政裁量です。収集運搬業で見ても、大まかには同じなのに、各都道府県によって様式が違う、必要書類が違うだけでなく、予約の仕方や申請の際にインデックスを付けさせるもの、車両の写真の撮り方が違うもの、講習会の修了証の原本提示が必要なところなど申請する自治体によって独自ルールがあります。
行政裁量とは、行政行為をするに当たり、根拠法令の解釈適用につき行政庁に許された判断の余地のことを言いますが、廃棄物行政はその自治体に自分たちのルールを決める余地が他の許認可と比べても多いと感じています。これは特に多くの自治体にまたがって許可を持っている企業様にとっては非常に煩雑だと思います。

効率化を目指すデジタル手続法

また、届出以外は基本的に予約の上で窓口で申請をする必要がありますので、新規申請だけでなく更新許可や変更許可についても毎回役所に行かなくてはいけないのは非常に不便で効率が悪いと思います。
この点について、デジタル手続法では下記のような基本原則を定めています。
①デジタルファースト:個々の手続・サービスが一貫してデジタルで完結する
②ワンスオンリー:一度提出した情報は、二度提出することを不要とする
③コネクテッド・ワンストップ:民間サービスを含め、複数の手続・サービスをワンストップで実現する

オンライン化によってコストと手間を大幅に削減

これらによって、例えば先行許可申請を活用しばければ申請自治体の数だけ住民票や登記されていないことの証明書、登記簿謄本などを用意しなければならかったのが、一度提出した情報は行政で共有してもらえることになればコスト面でも手間の面でも非常にプラスになります。また、申請自体がオンライン化すれば役所に行くコストと手間を大幅に削減できるでしょう。
現状、自治体側としては努力義務となっているのでどのくらい時間がかかるのかはわかりませんが、今後は今まで煩雑だったこれらの手続も簡素化、オンライン化していくはずです。
正式名称は「情報通信技術の活用による行政手続等に係る関係者の利便性の向上並びに行政運営の簡素化及び効率化を図るための行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律等の一部を改正する法律」のものすごく長い法律であるデジタル手続法の今後に期待したいですね。

GOALグループ代表 行政書士 石下貴大

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