
令和5年度の税制改正において、金融・証券税制の改正として、NISAの税制が大幅に改正されました。新たなNISAは令和6年からの改正となりますが、現行も含めて新しいNISAを見ていきたいと思います。
■NISAとは
通常、株式や投資信託など金融商品に投資して、配当金や売却して利益を得た場合には、所得税・住民税を合わせて約20%の税金がかかります。
NISAを利用して、NISA口座内で金融商品に投資して、配当金や売却して利益を得た場合には、非課税になる制度となります。
しかし、NISA口座内で生じた金融商品の売却した損失については、他の一般口座や特定口座の利益や配当金と損益通算することができません。
■現行のNISA
現行のNISAについては、つみたてNISAと一般NISAとジュニアNISAの3つのNISAがあります。
それぞれの制度概要ついて見ていきたいと思います。
・つみたてNISA
年間投資上限額:40万円
非課税期間:20年間
生涯非課税限度額:800万円
口座開設可能期間:平成30年~令和24年
投資対象商品:積立・分散投資に適した一定の公募等株式投資信託(商品性について内閣総理大臣が告示で定める要件を満たしたものに限る)
対象年齢:18歳以上
・一般NISA
年間投資上限額:120万円(平成26・27年は100万円)
非課税期間:5年間
生涯非課税限度額:600万円
口座開設可能期間:平成26年~令和5年
投資対象商品:上場株式・公募株式投資信託等
対象年齢:18歳以上
・ジュニアNISA
年間投資上限額:80万円
非課税期間:5年間
生涯非課税限度額:400万円
口座開設可能期間:平成28年~令和5年
投資対象商品:上場株式・公募株式投資信託等
対象年齢:18歳未満
■新しいNISA
新しいNISAについては、つみたて投資枠と成長投資枠に分かれます。
それぞれの制度概要について見ていきたいと思います。
・つみたて投資枠
年間投資上限額:120万円
非課税期間:無期限化
生涯非課税限度額:1,800万円(簿価残高方式で管理:枠の再利用が可能)
口座開設可能期間:令和6年~
投資対象商品:積立・分散投資に適した一定の投資信託
対象年齢:18歳以上
・成長投資枠
年間投資上限額:240万円
非課税期間:無期限化
生涯非課税限度額:1,200万円(簿価残高方式で管理:枠の再利用が可能)
口座開設可能期間:令和6年~
投資対象商品:上場株式・投資信託等(安定的な資産形成につながる投資商品に絞り込む観点から、高レバレッジ投資信託などを対象から除外)
対象年齢:18歳以上
■NISAの改正にあたって
・非課税保有限度額については、買い付け残高で管理。NISA口座内の商品を売却した場合には、非課税枠を再利用することができます。
・年単位で金融機関を変更することは可能です。
・つみたて投資枠と成長投資枠を別々の金融機関で利用することはできません。
・つみたて投資枠と成長投資枠を合わせて非課税保有限度額が1,800万円となります。そのため、つみたて投資枠のみで非課税保有限度額1,800万円を使い切ることは可能ですが、成長投資枠の非課税保有限度額は1,200万円となりますので、成長投資枠のみで非課税保有限度額1,800万円を使い切ることはできません。
・現行のNISAを利用している者は、新制度開始時に新しいNISA口座が自動的に設定されるなど、新制度の手続きがスムーズに行われるようになる予定となっています。
・現行のNISA制度で保有している商品は売却する必要はありません。一般NISAは購入時から5年間、つみたてNISAは購入時から20年間は、そのまま非課税で保有・売却することができます。しかし、非課税期間終了後、新しいNISA制度に移管することはできませんので、課税されることとなります。
・ジュニアNISAで投資した商品については、非課税期間(5年)終了後、自動的に継続管理勘定に移管され、18歳になるまで引き続き非課税で保有することができます。
■NISAの活用
現行のNISAは、令和5年で終了となります。現在、NISAを利用されている方は新しい制度に対応できるように準備しておきましょう。
また、新しいNISAは、つみたて投資枠と成長投資枠を合わせて年間360万円、生涯非課税限度額は1,800万円まで利用することができるようになります。今まで利用されていなかった方も枠が増額されており、将来に向けて利用など検討されてはいかがでしょうか。
老後の資金として、少しずつでも新しいNISA口座を利用して積み立てしていくのもよろしいかと思います。投資商品になりますので、NISAだけではなく、実際の投資商品の知識も必要になりますが、うまく利用して老後の資金の準備として活用してみてはいかがでしょうか。




