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発行 あいおいニッセイ同和損害保険株式会社
編集 DREAMJOB Innovation Lab

「 熱中症から職人を守る 」

コラム読者の皆様こんにちは!
内山会計の内山でございます。

この記事では建設・土木業の方へ向けて、税理士・会計士としての立場から、専門的な知識・情報をわかりやすく解説してまいります。

学校は夏休みとなりいよいよ夏本番といった感じですが、建設・土木業にとって夏は労働災害が高まる季節とも言えます。厚生労働省の調査によると過去5年間で50人以上の建設・土木業従事者が熱中症によって亡くなっています。

毎年「注意してください」と言われていますが、具体的な取り組みとしてどのようなことを行っていけばよいでしょうか。そこで今回のコラムでは「熱中症から職人を守る」と題し、実際の取り組みを参考に会社としてどのように導入して行けばよいかを解説して行きます。職人は会社の大切な財産ですので、体を壊されてしまっては元も子もありません。
ぜひ本コラムを参考に夏を乗り切っていただければと思います。

他業種と比べ高い熱中症リスク

建設・土木業は他業種と比べて熱中症のリスクが非常に高い業界です。
屋外での作業が主であり、直射日光を浴びることが多いため体温が上昇しやすくなります。また、重い材料を運んだり重機を操作したりすることが多く、身体にかかる負担も大きいです。
さらに、多くの現場では適切な休憩場所や水分補給の設備が十分に整っていないことも少なくありません。これらの要因が重なり、建設・土木業に従事する職人たちは他業種に比べて熱中症のリスクが高まります。

2024年問題もあり、以前の様な長時間労働が難しくなり、その上人手の確保も難しい時代です。既述の通り職人は会社の財産ですので、彼らのためにどのような対策が必要か詳しく見て行きましょう。

会社として出来ること

会社として、職人を熱中症から守るためにできることは多くあります。具体的には下記の通りです。

1.定期的な休憩の確保と水分補給:
余裕を持った工期という言葉を最近ではよく耳にしますが、夏場ではこれに加えて細かい休憩の確保も重要となります。また、その際の水分補給ではただ水を飲むだけでなく、塩分やミネラルを含んだ軽食の補給も効果的なのは周知のとおりです。
また、ある企業ではかき氷スタンドを現場に用意し、職人たちに振る舞うという取り組みを行ったケースがあります。

2.適切な服装と装備:
空調服はもはやメジャーな存在となりましたが、冷却効果のあるインナーウェアや着るクーラーと呼ばれるベストの登場など、作業ウェアは毎年進化しています。会社として用意できるのがベストですが、予算的に厳しい場合は着用の推奨や購入資金の一部補助などを行い、少しでも快適に仕事をしてもらう環境作りが重要です。

3.健康管理の徹底:
毎日の健康チェックを行い、職人の体調に変化がないかを確認します。体調が優れない場合は無理をさせず、休養を取らせることが重要です。近年ではウェアラブルデバイスが進歩していますので、血圧や心拍数も把握することが可能です。熱中症に特化した熱中症対策バンドという商品もあるようですので、会社規模に応じて各種デバイスを導入することは積極的に検討すべき事項と言えるでしょう。

ルール化と意識付け

会社として出来ることは上記の通りですが、それをルール化し意識付けして行くことが重要です。取り組み自体も一現場で終わってしまっては意味がありませんので、職人の意見を聞きつつ各種対策を進化させていく必要があります。

ルール化の具体例として、「気温が何度以上では○○を制限する」や「水分補給休憩は1時間に○回必ず行う」などが上げられます。
意識付けとしては熱中症に関する知識を職人たちに教育し、予防策や対処法を身につけてもらいます。定期的な講習会や訓練を実施し、職人たちが熱中症に対する意識を高めることが求められます。

そして予算が確保できるようになれば大規模な職場環境の改善や福利厚生の導入などに踏み切り、熱中症による事故をゼロにするための取り組みはますます進化して行くことでしょう。

ルール化と意識付けはお金をかけずとも今日から出来ることですので、取り組んでみてはいかがでしょうか?

今回のまとめ

建設・土木業の職人を熱中症から守るためには、会社としての取り組みが欠かせません。定期的な休憩の徹底、水分補給、適切な服装と装備、健康管理の徹底など、様々な対策を講じることが重要です。
また上記対策をルール化し職人一人一人へ意識付けすることが重要です。職人たちが安心して働ける環境は会社全体の生産性向上にもつながりますし、人手不足解消にも繋がります。

本コラムが熱中症事故の防止に繋がれば幸いです。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

税理士法人内山会計 公認会計士・税理士 内山典弘

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