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発行 あいおいニッセイ同和損害保険株式会社
編集 DREAMJOB Innovation Lab

「 建設・土木業が週休二日制を定着させるには? 」

コラム読者の皆様こんにちは!
内山会計の内山でございます。

この記事では建設・土木業の方へ向けて、税理士・会計士としての立場から、専門的な知識・情報をわかりやすく解説してまいります。

2024年問題と言われた4月からの法改正も次第に定着してきたかと思います。しかし、多くの企業が週休二日制を取り入れている中で、建設・土木業はなかなか定着していきません。現状、週休二日制にしないことによる罰則はありませんが、適正な休日の確保をしていくことは会社にとって大きなメリットをもたらすことと言えます。

そこで今回のコラムでは「建設・土木業が週休二日制を定着させるには?」と題して、週休二日制が定着しない理由、定着させるための方法、そして定着した場合のメリットについて考察します。

定着しない理由

建設・土木業が週休二日制を定着させることが難しい理由は複数あります。
まず、業界の特性上工期が厳格であり、天候などの外部要因による工事の遅れを避けるために、週休二日制を取り入れる余裕がないことが挙げられます。
また、現場作業が中心のため労働時間が長くなりがちで、短期間で多くの作業をこなす必要があるため、週休二日制を導入すると作業効率が低下する可能性があると懸念されます。
さらに、日給月給制を採用している事業者も多いことから、安易に週休二日制を導入してしまうと労働者の給与が減少してしまう可能性も存在します。

次に、人手不足の問題も大きな要因です。特に、熟練工の不足が深刻であり一人当たりの負担が増加する中で、週休二日制を導入すると更に作業が滞るリスクがあります。また、業界全体の文化や慣習も大きな障壁となっており、週休二日制の導入に対する抵抗感が根強いことも定着しない理由の一つです。

定着させる方法

中々定着しづらい週休二日制ですが、いったいどのような方策を取れば定着させることが出来るでしょうか? いくつかの手段を考察しておりますのでご覧ください。

作業スケジュールの見直し

作業スケジュールを柔軟に見直すことで、週休二日制の導入が可能になります。適正な工期を業界標準化していこうという動きは今後ますます加速していきますので、無理な工期というのは次第に減っていくことが予想されます。
ただし、逆にとると作業の効率性が今以上に求められることになりますので、次に述べる人材育成が重要となります。

労働力の確保と育成

人材確保のためには、労働条件の改善と魅力的な働き方の提供が不可欠です。週休二日制を導入することで、働きやすい職場環境をアピールし新しい人材の確保につなげます。
また、既述の通り従業員に対しても研修や資格取得支援を行い、スキルアップを図ることで生産性の向上を目指します。

IT技術の活用

建設現場におけるIT技術の導入は作業効率を大幅に向上させることができます。例えば、ドローンや3Dモデルを活用した現場管理、作業進捗のリアルタイム監視、遠隔操作による作業の自動化など、最新技術を積極的に取り入れることで、労働時間の短縮と品質の向上を図ります。

定着した場合のメリット

週休二日制を定着させた場合のメリットは次の通りです。

週休二日制を導入することで、従業員のプライベートな時間が増え、ワークライフバランスが改善されます。これにより、従業員の満足度が向上し、仕事への意欲やモチベーションが高まります。ただし、既述の通り賃金体系の見直しも必要と言えますので、企業としての体力をつけておく必要があると言えます。

また、働きやすい職場環境は従業員の定着率を高め、新しい人材の確保にもつながります。離職率が低下することで、採用コストや教育コストの削減が可能となり企業の経営基盤が安定します。

さらに従業員の定着率と生産性の向上にも寄与します。休養日が増えることで従業員はリフレッシュし、仕事に対する集中力が高まります。これにより生産性が向上し、品質の高い成果を上げることができるため顧客満足度も向上します。

今回のまとめ

建設・土木業界で週休二日制を定着させることは多くの課題を伴いますが、適切な対策を講じることで実現可能です。労働環境の改善やIT技術の活用、柔軟な作業スケジュールの見直しなど、総合的な取り組みが必要です。
週休二日制の定着により従業員の満足度と生産性の向上など、多くのメリットが期待できるため、積極的に取り組む価値があります。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

税理士法人内山会計 公認会計士・税理士 内山典弘

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