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発行 あいおいニッセイ同和損害保険株式会社
編集 DREAMJOB Innovation Lab

「 副業解禁のススメ 」

コラム読者の皆様こんにちは!
内山会計の内山でございます。

この記事では中小企業の方へ向けて、税理士・会計士としての立場から、専門的な知識・情報をわかりやすく解説してまいります。

皆さんの会社では副業を解禁しているでしょうか?
ある調査によると、3割ほどの民間企業が副業を解禁しているそうですが、働き方改革や副業に関するガイドラインの影響もあり、今後多くの企業で副業は解禁されていくことでしょう。

しかし、解禁するにしてもメリットばかりではありません。そこで今回のコラムでは『副業解禁のススメ』と題し、メリット・デメリット、注意点について企業側の立場から解説していきます。ぜひ最後までお付き合いください。

副業を解禁する会社側のメリット

一口に副業と言っても様々なものが存在しますが、ここでは他企業で雇用又は業務委託を受けて働く状態を想定して解説します。

働く側のメリットとしては単純な収入増加が一番のメリットになると思いますが、会社側が受けるメリットは大きく分けて三つ存在します。それぞれ見ていきましょう。

人材の多様性と専門性の向上

副業解禁により、従業員が自身の興味やスキルに基づいて別の分野で活動できるようになります。これにより、会社内での専門性が向上し、異なる経験や知識を持つ人材が集まることで、新しいアイディアや切り口が生まれるでしょう。

ワークライフバランスの向上

副業解禁は、従業員に柔軟性をもたらします。
仕事とプライベートの兼ね合いを自分で調整できることで、ワークライフバランスが向上し、モチベーションの維持やストレス軽減に繋がります。

副業からの新たなビジネスチャンス

従業員が副業で培ったスキルやアイディアが、会社にとって新たなビジネスチャンスとなることがあります。副業を通じて得たネットワークや市場の見識が、企業の競争力を高める手助けとなります。

会社側のデメリットは何か?

副業の解禁はメリットばかりではありません。一番のデメリットとしては社員の労働時間管理があげられます。法律上では実労働時間が一日8時間および一週40時間を超えた時間外労働に対して割増賃金を支給し、残業時間に関しては36協定の範囲内で運用する必要があります。

ここで登場する割増賃金は副業として働いている先の会社が負担することになりますので、副業として働きに来るスタッフを受け入れる場合は負担増となりますので気を付けましょう。また、社会保険についても2か所で加入する必要がある場合もありますので併せて注意しておきたい点です。

もう一つのデメリットとして競合が存在します。
これは従業員が別の仕事で成功した場合、その仕事が現在の会社と競合してしまうというケースです。さらに、同業他社で働くといったケースは利益相反にも繋がりますので、企業の信頼性や機密情報の守秘義務を確実に守ることが必要です。

副業解禁にあたって企業側の準備

メリット・デメリットを踏まえたうえで副業を解禁するかは十分な議論が必要となりますが、いざ副業を解禁しようとした場合には次のような準備が必要になります。

まず、副業解禁に際しては、ルールやガイドラインを整備することが不可欠です。既述の利益相反や競合をあらかじめ防止するため明確な基準や制約を設け、従業員に対して透明性を持たせましょう。

次に従業員との定期的なコミュニケーションが欠かせません。副業に関する進捗や課題についてオープンな対話を通じて理解を深め、信頼関係を築くことが必要です。

最後に、従業員が副業から得た知見やアイディアをフィードバックとして受け入れることが重要です。柔軟な意見収集と改善プロセスを確立し、副業を通じて得た成果を活かす文化を育てましょう。

今回のまとめ

あと2か月もすれば新年度となりますが、新年度を機に副業を解禁してみるというのも中小企業にとって成長の一歩に繋がるかもしれません。
反面、注意点や準備すべきことも多数存在しますので、社内の意見も聞きながらどんな手段がベストなのか検討していただければ幸いです。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

税理士法人内山会計 公認会計士・税理士 内山典弘

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