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発行 あいおいニッセイ同和損害保険株式会社
編集 DREAMJOB Innovation Lab

「 新NISAの落とし穴はあるのか? 」

コラム読者の皆様こんにちは!
内山会計の内山でございます。

この記事では一般の方へ向けた金融・税務に役立つ豆知識を、税理士・会計士としての立場から、わかりやすく解説してまいります。

本記事執筆時点である2024年1月22日の日経平均株価は先週末より583円高い3万6546円で取引を終え、バブル後の最高値を先週末に続き2営業日連続で更新しています。なぜこれほどまでに株高となるのか?という点は、半導体関連の銘柄に期待が集まっていることと、円安の進行。そして何より新NISAの影響も大きいのではないでしょうか。

そんな新NISAですが、「新NISAさえやっておけば資産形成は大丈夫」という意見をネットメディアを中心に目にするようになりました。確かに新NISAは魅力的な制度と言えますが、新NISAだけで万全という訳ではありません。

そこで今回のコラムでは『新NISAの落とし穴はあるのか?』と題して、新NISAを補完する仕組みづくりを解説してまいります。ぜひ最後までお付き合いください。

長期・分散・積み立て

資産形成の王道は「長期・分散・積み立て」です。
従って新NISAをきっかけに資産形成を始めようと思っている方も、一度に大きなお金を投下するのではなく、毎月コツコツと積み立てていく方法を取ると良いでしょう。

また、投資先も一つに絞るのではなく国内・海外と分散し投資することがリスクヘッジにつながります。さらに、時間を味方につけ出来るだけ長い時間をかけて積み立てていくことが出来れば資産は増えていくことでしょう。

と、ここで注目していただきたいのが「積み立て」と「時間」です。「長い時間をかけて積み立てる」ことが出来れば新NISAは非常に有利な資産形成手段と言えますが、積み立てできない状況になったらどうなるでしょう?

そこまでの資産で元本の拠出はストップしますので、資産増加額のスピードは一気に落ちてしまいます。また、その時の状況によっては「時間をかけて」資産形成を行っていくことも出来ないかもしれません。

果たしてそのような状況になってしまうケースはあるのでしょうか?
詳しく見ていきましょう。

積み立てできない状況とは?

新NISAをきっかけに資産形成を開始した方などは、ずっと順調に積み立てできた場合だけを考えたくなるものですが、いつどうなるかは誰にもわかりません。

そこで積み立てできなくなるケースをいくつか考えてみましょう。

失業するケース

2024年となりコロナもかなり落ち着いてきました。業績回復する企業もありますが、多くの中小企業は景気が良い状況とは言えません。
そこで、万一会社が倒産してしまう、または何らかの理由で失業してしまった場合は、経済的に大きな影響を受けますので一時的に積み立てをストップせざるを得なくなってしまうことでしょう。

大病をしてしまった場合

少々古いデータですが、厚生労働省が平成21年に発表した「がんと診断された後の職業と収入の変化」によると、がん罹患前の平均年収が395万円なのに対し、がん診断後は167万円となってしまうそうです。

これは治療を目的として仕事を休まざるを得ないからであり、傷病手当によって給料がゼロになることはありませんが、資産形成にまで回せる余裕はないことでしょう。

介護が必要になってしまうケース

ご自身が要介護状態になってしまう。または、ご家族が要介護状態となってしまう。
いずれのケースも経済的にダメージを受けてしまいます。場合によっては仕事を辞めざるを無いケースも存在しますので、やはり積み立てに回す余裕はありません。

保険をかける

ここで言う保険は生命保険や火災保険などの保険商品ではありません。
もちろん、それらが資産形成に対して有利に働くケースもありますが、新NISAが有利だからと言って他の手段から目を背けないことが重要です。

例えば、新NISAで積み立てしていけばよいので通常の積み立て預金は辞めてしまうであるとか、生命保険は無駄だから解約するであるなど、極端な新NISAへの依存は危険であると言えます。

すぐに使える手元預金。
大病や介護状態となった時にレバレッジの利く保険。
これらは既述の積み立てできない状況となってしまった際に必ず役に立つものです。

何でも新NISAで解決できるわけではありませんのでご注意いただければと思います。

今回のまとめ

私の知人にFPがおりますが、彼の元への相談もほとんどが積み立て・投資に関することだそうです。そして、その大半が新NISAに関することだそうですので、それだけ世間の関心が高いことは事実です。また、制度的にも優れていることは事実です。

しかし、極端な依存は危険であると言えますので、バランスを維持した投資を行っていただければ幸いです。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

税理士法人内山会計 公認会計士・税理士 内山典弘

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