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発行 あいおいニッセイ同和損害保険株式会社
編集 DREAMJOB Innovation Lab

「 債券への投資は初心者向け? 」

コラム読者の皆様こんにちは!
内山会計の内山でございます。

この記事では一般の方へ向けた金融・税務に役立つ豆知識を、税理士・会計士としての立場から、わかりやすく解説してまいります。

10月23日のことになりますが、日本の10年債が一時0.855%まで金利が上昇しおよそ10年ぶりの高水準となりました。アメリカの10年債などは5%に迫ろうかという勢いですが、皆さんは国債を始めとした“債券”への投資を考えたことはあるでしょうか?

一般的に債券は安定的な投資対象と言われていますが、もちろんリスクも存在します。そこで今月は『債券への投資は初心者向け?』と題し、 債券の魅力、株式との違い、初心者向けの始め方について解説して行きます。

来年はNISA制度も新しくなりますので、この機会に債券について基本的なことも知っておいてみてはいかがでしょうか?

債券の魅力は?

債券は、債務者が債務を返済するという約束を基にした証券です。冒頭取り上げた10年国債は国が「10年後に○○%の利息を付けて払いますよ」と約束しています。このため、通常債券は比較的安定した利回りを提供し、元本保証があることが多いため、投資家にとって安全な選択肢です。

また、債券は発行された後から市場でも売買されています。債券の価格が下がると金利は上がり、反対に債券の価格が上がると金利は下がります。つまり、債券価格と金利は密接に関係しているため、市場関係者の注目度も高くなるのです。
初心者の方であっても債券市場で売買は可能ですので、国の債券・会社の債券など気になる商品があれば実際に購入してみても良いでしょう。

そして債券は種類にもよりますが、一定期間ごとに利息を受け取れるものも存在します。これにより、投資家は安定した現金収入を得ることができます。利息収入は、特にリタイアメントプランの一部として重要であり、将来の支出を賄うために利用できます。

コロナ禍以降、株価のV字回復が話題となりましたが、資産に株式ばかりを組み入れず債券を組み入れることで、リスク分散にも繋がります。株式市場の変動に対する保護として債券を保有することで、ポートフォリオ全体のリスクを低減できます。

まとめると債券の魅力としては、①安定性②利息収入③リスク分散の3つが上げられます。特に初心者の方であれば株と比べ激しい値動きの少ない債券はお勧めと言えるかもしれません。

株との違い

資産形成や運用と聞くと“株”を思い浮かべる方は多くいらっしゃると思いますが、債券が株と異なる点として次の2点が上げられます。

1.リターン
株式は通常、債券よりも高いリターンを提供しますが、その代わりにリスクも高いです。債券は比較的低いリスクを伴い、したがってリターンも低いことが一般的です。債券のリターンは、利息と債券の価格変動によって生じます。

2.リスク
株式市場は価格変動が大きく、一時的な損失が発生する可能性が高いです。一方、債券は通常、価格変動が安定しており、元本の損失は比較的少ないことが期待されます。ただし、債券のリスクも存在し、信用リスクや金利リスクに注意する必要があります。

初心者はどう始めたらよいか?

初めて債券への投資を考えている場合、以下のステップに従って始めることをお勧めします。

1.基本知識の獲得
債券だけに限ったことではありませんが、自分のお金を投資する先ですので、最低限の知識は必要と言えます。具体的には債券市場とその種類についての基本的な知識を獲得しましょう。債券の種類には政府債券、企業債、地方債などがあり、それぞれ異なる特性を持っています。

2.目標設定
投資目標を明確にしましょう。一般的に債券は長期での投資に適していますので、短期的な利益を狙う方には向いていません。いつまでにどのくらいまで増やすのか? を設定し、それに見合った商品を選択しましょう。

3.リスク許容度の評価
自身のリスク許容度を評価し、それに合った債券を選びましょう。初心者の内は低リスクの米国債などが良いと考えます。

4.購入とポートフォリオの構築
実際の購入は手数料の低いネット証券が良いでしょう。また、株式とのバランスを考えたポートフォリオを構築しましょう。株式・債券ともに先に評価したリスク許容度に従って購入することは自身のメンタルにも有効ですし、リスク分散にも繋がります。

5.継続的なモニタリング
これも債券市場に限ったことではありませんが、金融情勢は常に変動するため、投資を継続的にモニタリングし、必要に応じて調整することが重要です。

今回のまとめ

債券=低リスクという訳では決してありません。確かに米国債などはリスクも低いと思いますが、債券にも様々な種類が存在しますので、信頼できるファイナンシャルプランナーに相談した上でポートフォリオを組まれることをお勧めいたします。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

税理士法人内山会計 公認会計士・税理士 内山典弘

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