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発行 あいおいニッセイ同和損害保険株式会社
編集 DREAMJOB Innovation Lab

「 インバウンドビジネスへ参入するためには? 」

コラム読者の皆様こんにちは!
内山会計の内山でございます。

この記事では中小企業の方へ向けて、税理士・会計士としての立場から、専門的な知識・情報をわかりやすく解説してまいります。

毎月何回かは出張で都内へ行きますが、その度に外国人観光客の増加を感じています。特に銀座などは平日であれば日本人よりも多くの外国人観光客がいるのではないかと思うほどです。

コロナの緩和、円安など外国人観光客が増加する理由はいくつかありますが、彼らを対象にビジネスを行ってみようと思う方もいらっしゃるのではないでしょうか?一昔前であれば“爆買い”と呼ばれた旺盛な購買欲も、近年では「モノ」より「コト」へシフトしているようです。

そこで今回のコラムでは『インバウンドビジネスへ参入するためには?』と題して、自社が持つ経営資源をどのように使えばインバウンドビジネスへ取り組むことが出来るのか?ということを考え、解説していきたいと思います。また、予算を潤沢にはとれない中小企業でも出来る方法についても探っていきます。

意外な業種がマッチするかもしれませんので、新たなマーケットを開拓しようとしている方は必見の内容です。ぜひ最後までお付き合いください。

「モノ」より「コト」とは?

訪日外国人観光客=爆買いという認識は過去のものと言ってよいでしょう。それこそ、秋葉原で家電量販店を回り、スーツケースに入りきらないほどの買い物をする方は未だに存在しますが、以前ほどではありません。

反対に上図のような「体験」にお金をかける外国人観光客が増えてきているそうです。また、格安パッケージ旅行を利用する中間所得層よりも、旅慣れた“経験”や“体験”を重視する高所得層の個人旅行がコロナ緩和以降の需要において先行回復しているというデータもあります。

つまり、日本を訪れる外国人観光客は「モノ」よりも「コト」へより多くのお金をかけるようになったと言えるのかもしれません。それも、観光客向けに整備された「ジャパン」ではなく、普段着のままの「日本」を楽しみたいというニーズが増えてきています。

ある程度旅慣れた方がよく言いますが、「旅先で地元の人が行くような店に行ってみたい」というニーズは世界共通なのかもしれません。

中小企業がインバウンドにこれから参入するには?

「モノ」より「コト」を重視する外国人観光客が高所得層に多いことは先に述べた通りですが、そんな彼らを対象にビジネスを行うために必要なものはなんでしょうか。

まずは何と言っても彼らに来てもらわなければ話になりません。近年では旅行サイトや観光ガイドより、SNSの情報を参考に旅行される方も増えていますので、自社のSNSを使い外国人観光客に向けて効果的なマーケティング戦略を展開することが重要です。ターゲットの国や地域に合わせた戦略を立てましょう。

また、自社の経営資源を棚卸して彼らが興味を引くものは無いか?を見つけることも重要です。いわゆる「バズる」きっかけは様々なものがありますので、社内で会議を行い広く意見を聞いてみましょう。

上記と平行して行うこととして、言語の壁を取り除くということも重要です。社員への外国語教育の導入、通訳サービスの導入など、彼らとのコミュニケーションをスムーズにすることは事業の成功を後押ししてくれます。

実際に社内SNSの運用や社内会議などは予算をそこまで掛けずとも実行可能ですし、社員の外国語教育などもオンライン英会話を活用すれば、やはり少額の予算でスタートできます。
つまり、インバウンドビジネスへの取り組みは大きな予算をかけずとも可能だということです。

インバウンドビジネス参入のデメリットは?

考えられるデメリットとしては、コスト・リソースの増加が上げられます。しかし、既述の通り大きな予算をかけずともスタートすることは可能ですので、まずは少額の予算でスタートすれば、例えうまく行かなかったとしても経営にとって大きな痛手とはなりません。

実際にうまく行った後の話にはなりますが、観光業界は競争が激しいため競合他社との差別化を図る必要があります。しかし、これも自社の経営資源を活用した本業の延長線という位置付けでスタートさせれば、競合他社が現れる可能性は少ないでしょう。

考えられるデメリットしては意外と多くはありません。ただし、この記事では本業ありきでの副業的なインバウンドビジネスを想定しています。本業として取り組む場合は上記以外のデメリットも存在しますのでご注意ください。

今回のまとめ

外国人観光客向けビジネスへの参入は、中小企業にとって新たなビジネスチャンスを提供しますが、その成功には適切な戦略とリソースの活用が不可欠です。
また、「儲かりそうだからやる」という考えではなく、「何か自社の良さや文化を発信できないか?」「せっかく日本に来てくれたんだから何か良い思い出を提供できないか?」といった理念が無ければ長続きすることは無いでしょう。
 
「おもてなし」という言葉が数年前流行りましたが、来てくれる観光客の国や地域・文化・宗教などは最低限学び、どんなことを彼らに経験してもらうか?を社内で検討してみてはいかがでしょうか。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

税理士法人内山会計 公認会計士・税理士 内山典弘

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