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発行 あいおいニッセイ同和損害保険株式会社
編集 DREAMJOB Innovation Lab

「 従業員との深い信頼関係を築くために出来ること 」

コラム読者の皆様こんにちは!
内山会計の内山でございます。

この記事では中小企業の方へ向けて、税理士・会計士としての立場から、専門的な知識・情報をわかりやすく解説してまいります。

8月末の話にはなりますが、西武池袋本店で61年ぶりとなる大手百貨店のストライキが実行されました。ストライキと聞くと私の世代では旧国鉄のストライキを思い浮かべますが皆さんはいかがでしょうか?

さて、このストライキですが労働者に認められた権利です。しかし、経営側としては会社のイメージダウンや従業員離れを加速する非常に厄介なものとなり、人手不足が叫ばれる現代においては従業員の満足度を上げ、定着してもらうことが安定経営の近道とも言えます。

一方労働者側としてもストライキなどやらずに、自分たちが満足できる職場となることが最適なのは言うまでもありません。
つまり、労使双方の歩み寄りが必要なわけですが、どうしても職場環境の整備や労働条件の決定は経営者側に有利な形で主導権が行きやすく、それが行き過ぎてしまうとブラック企業と呼ばれる存在になってしまいます。

そこで、今月のコラムでは『従業員との深い信頼関係を築くために出来ること』と題し、信頼関係を構築させることが経営にとっていかにプラスとなるか、実例を挙げて解説して行きます。なるべく予算をかけずに行う方法も解説しますので、ぜひ最後までお付き合いください。

従業員との信頼関係が大切な理由

従業員との信頼関係が大切な理由は多岐にわたります。第一に信頼関係がある環境では、従業員はより仕事に取り組み、売上アップ・業務効率化に繋がります。また、信頼があることで自由な発想も育ちますので、新しいアイデアや解決策が生まれやすくなり企業の成長に寄与します。

さらに、信頼関係があると従業員は長期的な経営戦略に共感しやすくなります。経営者の指針や目標に共感し、企業に忠誠心や家族意識を持つようになります。これは、高い離職率を防ぎ、組織の安定性を確保する上でも重要です。

中小企業の場合は特に経営層と従業員の距離が近いわけですので、深い信頼関係で結ばれた関係を構築して行くことは、会社の土台そのものと言ってよいでしょう。

従業員の満足度を低予算で上げるには?

次に、中小企業が従業員の満足度を高める方法について考えてみましょう。大企業と異なり、潤沢な予算をかけることは難しいのが中小企業の現状です。また、ベースアップ・ボーナスアップも満足度向上・信頼性向上に繋がりますが、やはりこちらもキャッシュフローと相談しながら決定すべきですので、すぐに実行できることではありません。
そこで今回はなるべくお金をかけずに実施できる具体的なアプローチを紹介します。

コミュニケーションの強化

従業員とのコミュニケーションを強化しましょう。定期的な経営層との面談やオープンなコミュニケーション空間を提供することで、従業員は自分の声が届くと感じ、満足度が向上します。無論、従業員の意見を聞くだけでは意味がありませんので、聞いた意見を役員で検討し柔軟な対応が求められます。

実際に当事務所の顧問先で行っている取り組みでは、半期に一度全従業員が社長と面談し、現在の業務難易度・業務量・満足していること・不満なことをざっくばらんに話してもらう機会を設けているそうです。社長のキャラクターにもよりますが、まず経営層から心を開いていかなければ、従業員は本当の声を聴かせてくれることはありません。コミュニケーションの強化=風通しの良い職場ということになりますので、ぜひ積極的に取り組んでいただければと思います。

働きやすい環境の整備

快適な職場環境の整備も大切です。清潔で快適なオフィス、適切な設備はもちろん、福利厚生として健康促進プログラムの実施などが従業員の満足度向上に寄与します。
また、健康促進・増進を継続して行うことは従業員の家族からも信頼を得られることでしょう。福利厚生の導入には低予算で実行できるものも多くありますので、ぜひどんな施策が欲しいかを前述した社員とのコミュニケーションで聞き出し、導入してみてはいかがでしょうか。

従業員にスキル開発の機会を

従業員のスキル開発を支援しましょう。トレーニングや教育プログラムを提供することで、従業員は自己成長を実感し、満足度が高まります。また、一見すると業務に関係の無いことでも従業員が興味を持ったジャンルに対して、スキル開発を支援するというやり方も存在します。もっとも、学ぶジャンルに対して一定の線引きを行い、社内ルールを制定する必要はあります。

実際の例としては「Udemy」という有料教材サイトに会社で加入し、従業員が望むカリキュラムを受講してもらうという取り組みを行っている企業があります。一カリキュラム当たりの単価もセール時を狙うと1500円程度からと低予算で導入できますし、何より従業員は興味のあるカリキュラムを会社のお金で学ぶことが出来ますので満足度は高まります。

今の時代どんなスキルや知識が自社に役立つかはわかりません。自社業務に関係のないカリキュラムだったとしても、ゆくゆく役に立つ可能性はありますのでスキル開発は長い目で見ることが重要です。

今回のまとめ

従業員との深い信頼関係を築くことは、中小企業にとって成功の鍵です。
信頼関係を構築することで、生産性の向上、従業員定着率の向上、従業員自ら動くという理想的な組織の構築、顧客満足度の向上など多くの利益が得られます。

経営者として、従業員との信頼関係を築くことは、持続可能な成功の礎です。ぜひ、本コラムの事例を参考に、従業員との信頼関係構築を図って行っていただければ幸いです。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

税理士法人内山会計 公認会計士・税理士 内山典弘

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