発行 あいおいニッセイ同和損害保険株式会社
編集 DREAMJOB Innovation Lab
コラム読者の皆様こんにちは!
内山会計の内山でございます。
この記事では一般の方へ向けた金融・税務に役立つ豆知識を、税理士・会計士としての立場から、わかりやすく解説してまいります。
「円安」のニュースを毎日のように聞きますが、皆さんは外貨への投資を行っているでしょうか?一般的に円安と言われている時期は外貨預金を行うべきでは無いと言われています。
なぜかと言うと次の通りなのですが、1米ドル=146円(2023年8月22日時点)の時に円→米ドルへ交換した場合、これが仮に130円まで変動すると16円損することになります。(為替手数料は考慮していません)
ということは2023年8月下旬の現在に外貨への投資を行うべきでは無いということになりますが、果たして本当にそうでしょうか? 今回のコラムでは『外貨預金のススメ』と題し、円安と言われる今、外貨への投資とどのように向き合ったらよいか解説致します。
ぜひ最後までお付き合いください。
そもそも外貨預金を始めとした外貨投資の魅力はどんなものがあるでしょうか。
まず一つ目は、為替リスクのヘッジができる点です。上図の様に為替は変動するものですので、自国通貨以外の通貨で預金をすることで、自国通貨が下落しても外貨の価値が保たれる可能性があります。
また、外貨預金によって異なる通貨の運用を組み入れることで、ポートフォリオの分散効果を得ることもできます。
二つ目は、利回りの可能性です。一部の外貨預金では、自国通貨預金よりも高い金利が得られることがあります。これによって、資産を増やすチャンスが広がる可能性があります。
日本は日銀の金融政策が若干の利上げに向かっているとはいえ、世界的に見れば超低金利状態が継続しています。そのため、米ドルと比べた場合は金利が低いということになりますので、円より米ドルで預金する方が高い利息を受け取れるということになります。
為替を予測することは誰にも出来ません。従って、「円高になったら投資しよう」と思っていてもそれがいつやってくるかは分かりませんし、もしかしたら今のレートが一番の円高状態ということもありえなくは無いのです。
そこで、外貨預金を始める際におススメなのが積立投資です。一度に大きな額を投資せず、毎週や毎月といった買い付けタイミングを定期的に定め、少額ずつ積み立てることで為替リスクを分散しやすくなります。
為替相場の変動が小さくても、積み立てによって平均取得価格を下げることができるため、リスクヘッジとなるでしょう。
為替が高い時でも安い時でも一定金額を購入し続ける手法になりますが、これをドルコスト平均法と言います。外貨に限らず積立投資では基本の戦略となりますので覚えておくと良いでしょう。
外貨預金にはいくつかのデメリットも存在します。
一番のデメリットとしては、為替相場の変動リスクです。既述の通り、為替市場は予測困難であり、短期間で大きな変動が起こることもあります。そのため、外貨預金を保有している間に為替リスクによる資産の減少も考慮しなければなりません。
また、外貨預金には外貨へ交換する際の手数料やペイオフの対象外といったデメリットも存在します。
他方、外貨預金以外の外貨商品として外貨建ての生命保険が挙げられます。デメリットは外貨預金同様ですが、あくまでこちらは保険です。つまり、保障が組み込まれているわけですので単純な積立預金と比較するとコストは高いケースがほとんどです。
ただし、保障も必要で外貨の積立も行っていきたいといったニーズのある方であれば適している場合もありますので、自分にどんな外貨建て商品があっているかを確かめたい場合は信頼できるファイナンシャルプランナーへ相談すると良いでしょう。
外貨預金のおススメ度は、個人の投資目標やリスク許容度によって異なります。外貨預金の魅力は為替リスクへのヘッジや利回りの可能性がありますが、同時に為替相場の変動リスクやコストも存在します。
これから外貨商品で投資を始めてみようという方は、まず自身の投資目標やリスク許容度をしっかりと考え、専門家のアドバイスを受けながら慎重に選択することが大切です。外貨預金を含め、様々な金融商品を理解し、バランスの取れたポートフォリオを構築することが長期的な資産形成に繋がります。
最後に、外貨預金を考える際には必ずリスクについても十分に理解し、そのリスクを最小限に抑えるための戦略を練ることをお忘れなく。どんな投資にもリスクはつきものですが、重要事項説明書などの契約締結前交付書面をよくお読みになり、最終的な決断を下していただければと思います。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
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