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発行 あいおいニッセイ同和損害保険株式会社
編集 DREAMJOB Innovation Lab

「 中小企業が採るべき災害対策と事業継続の手法 」

コラム読者の皆様こんにちは!
内山会計の内山でございます。

この記事では中小企業の方へ向けて、税理士・会計士としての立場から、専門的な知識・情報をわかりやすく解説してまいります。

先月の九州地区大雨。そして復興途中での大型台風と、近年の異常気象には改めて自然への畏怖を感じざるを得ません。もし、皆さんの会社が被災したら… 事業をどのように継続し、従業員を守って行くのかについて考えたことはあるでしょうか?

そこで今回のコラムでは『中小企業が採るべき災害対策と事業継続の手法』と題し、まず何から始め、どんな計画を立てたら良いのか?について解説して行こうと思います。災害は急にやってくるものですから、普段からの備えは非常に重要です。
中小企業としてどんな事業継続計画を建てたら良いか一緒に見て行きましょう。

災害から事業を守るためにはどうしたらよいか?

一口に災害と言っても、写真のような豪雨以外に様々なものが存在します。そこでまずは、自社に起こりうる災害リスクを評価しましょう。地震、火災、洪水など、地域ごとに存在するリスクを把握することが重要です。

自社にどのようなリスクが存在するのかを調べるためには、ハザードマップが非常に役立ちます。事務所・倉庫・作業場など自社関連設備のある場所にはどんなリスクがあるのかを従業員全員が把握することから、計画立案を始めると良いでしょう。従業員自らリスクを調べ、把握することは当事者意識を高めるためにも非常に効果的と言えます。

そして、洗い出したリスクに優先順位をつけることで、適切な対策を講じることが可能です。

自社に関連する企業についても調べておく

まずは自社についての災害リスク把握が優先されますが、取引先を始めとした自社に関連する企業の災害リスクについてもざっくりと把握することは重要です。仕入先・販売先共に災害で大きなダメージを負ってしまった場合は、自社が安全であったとしても事業継続が難しくなってしまいます。

関連する企業の災害リスクが大きいと判断した場合は、集中した取引を行うのではなく、取引先の分散化を徐々に図っていくと良いでしょう。

事業継続性を高めるためには?

自社が抱える災害リスクを洗い出した後は、事業継続計画(BCP)を策定することが非常に重要です。
BCPは、災害時の対応策や従業員の安全確保、データの保護など、あらゆる側面を網羅した計画です。計画の策定段階で従業員の役割や連絡先、必要な設備や情報システムのバックアップ方法を明確にしましょう。

BCPを周知させるために

せっかくBCPを策定しても、従業員の意識が低いままでは絵に描いた餅となってしまいます。既述の通り、従業員に当事者意識を持たせる必要があるわけですが、有効な手段として定期的なトレーニングやシミュレーションの実施が考えられます。
災害発生時の行動指針を定め、避難手順や重要データの保護方法などを定期的にトレーニングすることで、従業員への周知は広がり、結果的に会社と従業員を守り事業継続性を高めてくれるものとなるのです。

普段から出来るリスクヘッジとは?

普段から出来るリスクヘッジの一つとして、リモートとクラウドの活用が上げられます。
先のパンデミックからもわかるように、リモートワークとデジタル化は事業継続の鍵となりました。クラウドベースのシステムを活用し、従業員が柔軟に業務を続けられる環境を整えることで、災害時にも業務の停滞を最小限に抑えることが可能です。

また、適切な損害保険への加入も非常に重要です。自社で加入している損害保険はどんな時に給付金が支払われ、どんな時には支払われないのか? を正確に把握している経営者は少ないことでしょう。火災保険や休業保険など、事業に適した保険を選ぶことで、災害からの復旧に伴う経済的負担を軽減できます。信頼できる保険代理店の担当者へ相談しながら、自社で必要な保険プランを組み立てて行きましょう。

もちろん、従業員への周知・意識向上も普段からできるリスクヘッジの一つと言えますね。

今回のまとめ

どのような状態になっても事業を継続させるということの重要性は東日本大震災あたりから言われてきたように感じます。未曾有の大災害でしたが、懸命な努力の結果再建を果たした企業は多く存在します。
災害はいつ来るか? それは誰にもわかりません。自社と従業員を守るために、出来ることから始めてみてはいかがでしょうか?

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

税理士法人内山会計 公認会計士・税理士 内山典弘

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