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発行 あいおいニッセイ同和損害保険株式会社
編集 DREAMJOB Innovation Lab

「 なぜ日本ではキャッシュレス決済が普及して行かないのか? 」

なぜ日本ではキャッシュレス決済が普及して行かないのか?

コラム読者の皆様こんにちは!
内山会計の内山でございます。

この記事では一般の方へ向けた金融・税務に役立つ豆知識を、税理士・会計士としての立場から、わかりやすく解説してまいります。

今から約一年後の2024年7月には新しい紙幣が市場に流通します。1万円札は大河ドラマの主人公にもなった渋沢栄一が、5千円札は津田塾大学創設者の津田梅子が、千円札には細菌学者の北里柴三郎がそれぞれ肖像画として描かれます。

デザインが一新されるのは2004年以来20年ぶりとのことですが、ここ20年を見てみるとキャッシュレス決済も随分進んだように感じます。そもそも2004年にはスマホがありませんので、現代の様にQR決済アプリもありません。個人的な感覚にはなりますが、Suicaをキャッシュレス決済として使用する方が少し出てきたといった程度だったと思います。

20年でキャッシュレスが進んだとはいえ、諸外国と比べると日本はまだまだキャッシュレス途上国と言える状況です。海外旅行をした方であれば分かると思いますが、高額な紙幣を街中で使うことはほぼありません。しかし、日本では一万円札の市場流通量が多く、日常に深く浸透しています。

なぜ日本ではキャッシュレス決済が進みづらいのでしょうか?
今回のコラムでは上記原因について解説して行こうと思います。ぜひ、最後までお付き合いください。

なぜ日本ではキャッシュレス決済の普及が遅れたのか?

経済産業省によると2022年のキャッシュレス決済比率は36%となったそうです。ここ数年で急速に比率を増やしてはいますが、既述の通り市場には高額紙幣が多く流通しています。

一方海外では一般社団法人キャッシュレス推進協議会の発表「世界主要国におけるキャッシュレス決済比率(2020年)」によると、韓国が93.6%となっており、中国が83%と同じアジア圏でありながら非常に高い比率です。

では、なぜ日本ではキャッシュレス決済が普及しづらいのでしょうか?
その理由について見て行きましょう。

文化的要素

日本は現金主義の文化が根強く、多くの人々が現金を使って支払いを行うことに慣れ親しんでいます。長い間、現金が信頼性と安全性を持つとされ、また、お金を使うこと自体に対する意識や文化的な面でも、キャッシュレス決済の普及を妨げる要素となっていました。

さらに、治安の良さという点にも注目です。買い物をする際に財布を広げ、高額な紙幣が数枚入っていても「盗まれる」「襲われる」という心配をすることはありません。

利便性と利益の認識

一部の人々にとっては、現金を使うことによる利便性や利益が感じられていることも普及の遅れに関与しています。現金を使うことで、支払いの過程や金額の把握がしやすく、予算管理がしやすいという意識が一部で存在します。
「キャッシュレスだと使いすぎてしまうのではないか?」という心配は誰しも感じたことがあるでしょう。

また、個人情報等のセキュリティ面に不安を覚える方もいらっしゃると思います。確かにキャッシュレス決済には不正利用や個人情報漏洩というリスクが存在します。

インフラの課題

キャッシュレス決済の普及には、適切なインフラが必要です。例えば、クレジットカードや電子マネーを受け入れるためのPOS端末の設置や、ネットワークの整備などが必要です。これらの課題を解決するためには、企業や政府の協力が必要であり、そのプロセスが時間を要したことも普及の遅れにつながりました。

店舗側からしてみれば手数料を決済代行会社に支払うわけですので、その分余計な経費が掛かってしまいます。機材の導入費用プラス決済手数料の負担ということになると、個人で営んでいる店舗などは、なかなか導入に踏み切れないのではないでしょうか。

日本のキャッシュレス決済はどうなる?

経済産業省では2018年に「キャッシュレス・ビジョン」というものを公表しています。これによると、「キャッシュレス決済比率を2027年までに40%程度、そして将来的には世界最高水準の80%を目指していく」としています。

今後日本は少子高齢化が進み、人口減少時代を迎えます。キャッシュレス決済はそうした社会に適していると言えますが、店舗側の負担についても何らかの補助が必要なのではないかと個人的には考えます。

インボイス制度により多くの非課税事業者が課税事業者となり、ただでさえ手取りの減る事業者は増加します。それにプラスしてキャッシュレス対応の費用となると、最悪廃業を考える事業者も出てくるかもしれません。

国主導の取り組みであれば、利用する消費者が安心して決済できる環境作りも大切ですが、店舗・事業者側にも安心して事業を継続できる環境を提供してもらえることを期待します。

今回のまとめ

文化的要素や現金利用の利便性、インフラの課題などキャッシュレス決済の普及が日本で遅れている理由は様々です。
しかし、近年はキャッシュレス決済の利点や便利さが広く認識されつつあり、政府や企業の支援によって普及が進んでいます。今後は、これらの課題を解決し、キャッシュレス決済の利便性を広く認知させる取り組みが重要となります。

来年流通する新しいお札は7月からですが、生活のほぼすべてをキャッシュレス決済で行っている方はいつごろ現物を目にするのでしょうか? 今から楽しみでもありますね。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

税理士法人内山会計 公認会計士・税理士 内山典弘

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