DREAMJOB Innovation Lab

これからを創造するお役立ち情報 イノベーションラボNews

発行 あいおいニッセイ同和損害保険株式会社
編集 DREAMJOB Innovation Lab

ダイレクトレスポンスマーケティングの魅力

コラム読者の皆様こんにちは!
内山会計の内山でございます。

この記事では個人事業主の方・小規模事業者の方へ向けて、税理士・会計士としての立場から、専門的な知識・情報をわかりやすく解説してまいります。

以前のコラムでお金をかけない集客の方法について解説しましたが、今回は収集したお客様リストを活用する『ダイレクトレスポンスマーケティング(DRM)』についてその魅力をお伝えしていきたいと思います。

すでに導入されている事業者様やご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、改めて魅力と可能性を感じて頂き、事業発展へお役立ていただければ幸いです。

ダイレクトレスポンスマーケティング(DRM)とは?

ダイレクトレスポンスマーケティング(以下、DRM)とはお客様リストに様々なメディアを使って情報発信し直接反応を獲得していくマーケティング手法のことです。DRMはアメリカ生まれのマーケティング手法で、商圏が物理的に限られる小売店の販路拡大のために開発された歴史を持っています。

「お客様への情報発信ならやっていますよ」とおっしゃる方も多いかもしれませんが、DRMの情報発信は売り込みだけではありません。単に商品の宣伝やセールのお知らせ、来店促進などを発信するのではなく、まずは集めたお客様リストを教育することから始まります。

DRMの順番は…
1.お客様リストの獲得
2.集めたお客様リストへの教育
3.販売

となり、お客様リストへいきなり営業をかけるということは基本的にありません。教育すると聞くとちょっと抵抗感を覚える方もいらっしゃるかもしれませんが、お客様へ何かを指導していくというわけでは無く、あなたとお客様の関係性をより強固なものとし、信頼性を高めるために行うステップとなります。

では、なぜ教育することが重要なのでしょうか?

教育の重要性

例えばですが、あなたが購入を検討している商品を、飛び込みで来た営業マンとあなたが信頼している営業マンのどちらも同じ価格で提示してきた場合、あなたはどちらから購入しますか?

おそらくほとんどの方が信頼している営業マンから購入することでしょう。
“営業”されて“購入”という“行動”に移る際、人は多かれ少なかれ“信用”して購入します。つまり、お客様との間に信頼関係が無ければ商売は成り立ちません。
DRMにおける「教育」とは信頼の獲得という商売で一番大切なファクターとなるのです。

具体的には集めたお客様リストへ対して販売したい商品やサービスの需要喚起、お客様の役に立つ関連情報の提供、販売者やサービス提供者の想いなどを伝えることになります。

要するに教育=情報発信となるわけですが、どんな情報でも発信して良いわけでは無く、お客様の役に立ち、後に購入していただく“行動”に繋げるための情報を発信し続けるということが重要です。

では、具体的にどんなことをやっているのでしょうか。参考までに教室業を営む知人が取り入れている手法を教えていただきましたので読者の皆様にシェア致します。

DRMの事例

私の知人が運営している教室業の事例をご紹介します。

1.集客
LPで無料メルマガを案内し、登録していただいたお客様をリスト化
LPの拡散には理想のお客様層を設定した広告をSNSで展開し、広告費を抑える。

2.教育
メルマガを活用し月3本程度お役立ち情報の配信。時には動画を使って情報発信を行い、開封率・クリック率を計測。配信するネタはお客様からの反応が良かった情報に絞っていく。
同時に販売者の人柄や「なぜこの教室を行っているのか?」という想いも伝える。
1カ月に1回程度無料体験会を開催し参加者を募る。

3.販売
無料体験会へ参加したお客様へ直接アプローチ。
入会されなかった方へはフォローの情報提供を継続する。

実際には「教育」の段階や無料体験会へ申込された方へステップメールを使い、全てのお客様へ同じ情報を届けつつも、ある程度対象を絞って特定の情報をお届けするということも行っているそうです。

正にDRMをフル活用していると言ってよい事例ですが、教室運営者である知人は毎月メルマガの配信と動画の撮影・編集を行うだけで安定した売り上げを獲得しているそうです。

目に見えない商品やサービス・効果の分かりづらい商品やサービスといった物であったとしても、集客の後教育を挟むことによって、お客様からの信頼を獲得しやすく、いきなり営業をかけた場合と比べると、販売へ繋がる可能性は高いと言えるでしょう。

DRMの魅力

①一度リストを獲得すれば何回でも情報発信が可能
②いきなり売り込みをかけないため信頼関係を築きやすい
③一度の情報発信でリストのお客様すべてに配信することが可能

これらがDRMの魅力となりますが、中でも事業者にとって一番のメリットは③ではないでしょうか?

お客様に対して1件ずつテレアポをするであるとか、訪問するであるとかといった営業手法は確かに効果的ですが、手間であることも事実です。また、人件費を始めとした経費も必要になってきます。さらに、コロナ禍の現状ではあまり面識のない方を気軽に訪問するということも難しくなってきてしまいました。

他方、DRMではメール・LINE等を使い、一度の発信で見てほしいお客様へ情報をお届けできるわけですから、従来の営業手法に比べ時間もコストも節約できるのです。
メルマガに限った話にはなってしまいますが、お客様の中でどなたが開封したか? クリックして頂けたか? を計測することも可能ですので、お客様の興味度・期待度も計れます。

さらにお客様へ届いた情報は好きな時間に見ることが出来るため、お客様の時間を奪ってしまうといったことも皆無です。

営業にかける時間とコストを節約することで、より質の高い商品・サービスの提供が可能となりますし、お客様も質の高い役に立つ情報が得られるわけですので、売り手買い手の双方が得をするwin=winの関係になれるのがDRMの魅力なのです。

DRMの注意点

魅力的なDRMですが、一つだけ注意していただきたい点がございます。
『お客様リストの方々は生身の人間である』
ということです。

リスト化されたとは言っても、その向こう側には当然ながら生身の人間が存在します。つまり、感情が存在するわけです。
数字にこだわるあまり「販売」のメールばかり送ってしまうということはよくある失敗事例です。役に立つ情報が得られると思っているお客様を裏切ってしまうことにも繋がります。

お客様へ役に立つと思った情報を定期的にお届けし、真摯に向き合うための手法がDRMですので、目先の数字よりも未来の売り上げへ向けた地道な活動がとても重要なのです。

今回のまとめ

メディアの発達で新しい営業手法が多く登場しておりますが、商売の基本であるお客様との信頼関係はどんな時代になっても人間に感情が存在する限り変わらない事なのだと思います。
ということは多少の価格差があったとしても同一商品であれば信頼できる人から購入するでしょうし、新しいサービスであったとしても提供者に共感し、信頼することが出来れば導入へとつながるのです。

“リモート”によって直接会うことは少なくなりましたが、直接会えないからこそお客様との信頼関係構築は今までよりも難しく、関係構築手段も多様化しているのが現代です。
そんな時代だからこそDRMを活用し、ビジネスにおける一つの柱にして行ってみてはいかがでしょうか。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

税理士法人内山会計 公認会計士・税理士 内山典弘

【著者関連記事】
●「生命保険と相続税」
●「マーケティンク゛基礎知識関係性のマトリクス」

当該コラムは、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社の協力のもとに、DREAMJOB Innovation Lab(運営:株式会社DREAMJOB)が運営管理しております。