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発行 あいおいニッセイ同和損害保険株式会社
編集 DREAMJOB Innovation Lab

テレワークの場合の最低賃金の決め方

2020年10月以降の最低賃金の見込み額が公表されました。

最低賃金の引き上げを行うのは、全国の40県で1~3円程度の引き上げになる見込みです。
なお、全国で一番、最低賃金が高い東京都(1,013円)は据え置き、二番目の神奈川県は1円引き上げて1,012円になる見込みです。
ところで、最近導入する企業が増えているテレワーク・リモートワークですが、東京都に本社がある企業がテレワーク対応の人員として沖縄県の人材を採用した場合、最低賃金の取り扱いはどうなると思いますか?
事業場の場所を意識せずに採用活動を行えるのは、大きなメリットですがルール作りやコンプライアンスの部分で気を付けるべき点も多いです。

テレワークと最低賃金

テレワーク・リモートワーク・在宅勤務勤務等(以下「テレワーク」といいます)を導入すれば、東京都に拠点を置く企業が沖縄県や北海道の人を採用することもできるようになります。
そうした場合、
「会社がある東京都の最低賃金を基準に賃金を支払うのか」
「従業員が住んでいる地域の最低賃金を基準に賃金を支払うのか」
認識を誤るとコスト増につながったり、賃金未払いの問題に発展したりしてしまう恐れもあるので注意が必要です。

最低賃金は事業場ごとに決まる

原則として最低賃金は、事業場の場所によって決まります。
今回のケースのように東京都に拠点を置く企業が沖縄県の人を採用した場合、「その人の事業場は沖縄県にあるその自宅」と考えれば良いのでしょうか。
行政通達によれば「一の事業場であるか否かは主として場所的観念によつて決定すべき」と述べられており、そうすると今回のケースでは「沖縄県の最低賃金を支払えば良いのでは?」と考えたくなります。
しかし、この事業場の考え方には例外があります。

事業場の独立性がポイント

事業場の規模的な大小よりも人事・労務管理の観点から独立性があるかどうかが判断のポイントです。
テレワークの場合でその労働者の自宅を勤務地とするようなケースでは、その自宅を独立した事業場と判断することは難しいでしょう。
今回のケースでは、沖縄県で採用された人は、東京の会社に勤務していることになりますので、東京都の最低賃金が適用されることになります。

テレワークでも勤怠管理が重要

賃金は、時間に応じて支払われるのが原則です。
そのため、テレワーク勤務者であっても労働時間を正確に把握する必要があります。
テレワークや在宅勤務になると生活が不規則になる人もいるようですが、労働時間を正確に把握するということにより、長時間労働や深夜労働の抑制にもつながります。
東京都に拠点を置く企業が「東京は最低賃金が高いから地方の最低賃金が低い地域の人を採用しよう」と考えても人件費の抑制につながらない場合もありますので注意してください。

社会保険労務士法人GOAL 代表社員 社会保険労務士 久保田 慎平

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