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発行 あいおいニッセイ同和損害保険株式会社
編集 DREAMJOB Innovation Lab

ゴミかどうかは何で決まる?

 ゴミかどうかはどうやって判断されるのでしょうか?
自分がゴミだと思っても、世間一般でゴミと判断されるとは限りません。たとえばいらなくなった家電製品や家具を例にします。引越しのタイミングで買い換えようとして、不要になったからゴミとして捨てようと思っても、まだ使えるものであれば価値のあるものとしてリサイクルできたり、場合によっては買い取ってもらうことも可能です。ゴミとは価値のないものであり、このように価値があるものであればゴミではなく、有価物として扱われます。

実はゴミと判断されるか、有価物として判断されるかは非常に重要です。

 なぜならゴミであれば廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃掃法とも言われます)が適用されますが、そうなるとゴミを出す側にも排出者責任がかかりますし、違反した際には罰則の適用もあるわけです。
 この点、裁判所では総合判断説という立場をとっています。ゴミ、つまり廃棄物を「占有者が自ら利用し、又は他人に有償で売却することができないために不要になった物」とし、これに該当するかどうかは、「その物の性状、排出の状況、通常の取扱い形態、取引価値の有無及び占有者の意思等を総合的に勘案して判断すべき」とする説で、簡単に言いますと、ゴミかどうかは本人の意識だけでなく、社会一般の考えや取引価値の生むなどをまとめて判断しますというものです。自分がゴミではないと思っていても、社会通念上では廃棄物に該当することもあれば、逆もありえるという事です。

不要品を出すにあたってそれぞれ異なる許可が必要となります。

 たとえば家庭やオフィスからゴミを出す際に、それが廃棄物に該当する場合にはそれぞれ一般廃棄物収集運搬業や産業廃棄物収集運搬業の許可を持った業者に委託しなければなりません。その際に廃棄物かどうかを判断するのがこの総合判断説であり、廃棄物でない、つまり価値のある有価物であればこの義務は発生しませんし、それによる責任も生じません。ちなみに価値のあるものを処分する際の方法として買取りがあります。本や家電など今では簡単にインターネット上でも売ることができますね。このように一度でも誰かの手に渡ったものを、転売目的で仕入れるためには古物商という許可が必要になります。
 ですので、たとえば引越しなどで出た不用品を業者さんに持っていってもらうときに、廃棄物であれば一般廃棄物の許可、買取であれば古物商の許可を持っていない業者は違法な業者となりますので注意が必要になります。

廃棄物であれ、有価物であれ、自分が出したものについては適正な処分が求められます。

 リモートワークで出されるゴミがどういう扱いになるのかも含めて廃棄物の概念も変わっていくのかもしれませんが、不法投棄されたり、違法に輸出されてしまったり、自分の出したものでそういったことのないように意識を高めていきたいですね。

GOALグループ代表 行政書士 石下 貴大

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