DREAMJOB Innovation Lab

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発行 あいおいニッセイ同和損害保険株式会社
編集 DREAMJOB Innovation Lab

「 パワハラはどこに相談すればいいの? 」

では実際に、従業員がパワーハラスメントに遭ってしまった場合に、一人で解決することは出来るでしょうか。
おそらく、難しいと思います。
どこに、誰に、どのように相談すればいいのでしょうか。

事業主が講ずべき措置としての相談窓口

まずは、「職場におけるパワーハラスメントを防止するために講ずべき措置」として、パワーハラスメントを行ってはならない旨等など、事業主が講じなければならない措置を何点か対応するように求められています。その中で『相談に応じ適切に対応するために必要な体制の整備』も挙げられています。
社内での相談窓口の設置や周知、適切な対応ができるよう整備することを必須事項としています。

相談窓口担当者は? 相談を受ける際に大切なことは?

では相談を受ける場合に、どのように体制をとればいいでしょうか。
まずは、必ず、プライバシーが守れるように、人目につかない相談場所にて話を聞く事がとても重要になります。仕事の内容以外の相談をしている状況が外部から丸見えであるような環境や、他の従業員に相談していることが漏れるのではないか、勘繰られるのではないかとソワソワしてしまう状況であれば、ゆっくり相談することが出来ず、解決へと導くどころか、問題すら話してくれなくなってしまいます。

パワーハラスメントを受けた被害者から相談があった場合、相談窓口の担当者は、しっかりと事実のみを全てヒアリングし、情報がもれないようにまとめます。
本人は、パワーハラスメントを受け、心身的にもつらい状況であると考えられます。ゆっくりとプレッシャーを掛けることなく、本人のペースで一つずつ話してもらえる状況を作ります。否定をすることなく、また途中で話を遮ることもせず、本人の感情の部分ではなく、事実をしっかりと聞き分けることを心がけます。心理的にも混乱している状況の中、話しているということも考えられ、話したい内容がまとまっていないということも充分に考えられますので、一旦、話したい事をすべて話してもらい、事実・情報を全部聞きとった上で、追って、補足して聞きたいことなどを質問するなどして、必要な情報を集めます。これも、1回で全てを聞き取ることは困難であると考えられます。時間をおいて、少し落ち着いたら、思い出したり、内容がまとまったりして、話してもらえる情報もあるかもしれませんので、根気よく寄り添っていくという気持ちが必要となります。

また、実際、話をよく聞いてみると、本人の感情が優先してハラスメントであると感じているけど、実際はハラスメントとは別のトラブルである場合や(トラブルはトラブルとして、解決に向けて取組む必要はありますが)、注意や指導の受け止め方が過剰であるにすぎない場合もあるかもしれません。
誤った判断をしない為にも、全ての情報を聞き出す、事実と感情部分を切り分けて聞く、結論を急がない、先入観をもたず1人で判断しないように、相談窓口担当者のチーム内で全ての情報を共有して、正しい対応が出来るように、慎重に進める必要があります。

また、被害者についてはもちろんですが、相談窓口担当者についても、大変な役割を担うことから、周りのフォローが大切となります。担当業務とは違い、慎重に扱うべき問題であり、またプライバシーに関することでもあるため、誰にでも相談が出来るというものではありません。また、相談業務を専属で行っているわけではなく、通常業務と並行して行っているため、業務過多となってしまっていることも考えられます。その為、担当者チームや管理者が積極的にフォローするということも、相談窓口設置においては、適切な人選を行うことと同様、大変重要なこととなります。

社内で全て準備するの? 外部に相談できるところはあるの?

万全な体制を整えて進めていても、職場内だけで、対応するのが難しい状況がでてくるかもしれません。相談の窓口担当者や管理者自身がハラスメントの行為者であるかもしれません。また、相談を受けてから、どのように対応すべきか、もしくは被害者や行為者へ感情移入してしまい、適切な対応が出来ない場合も出てくるかもしれません。もしくは、規模の小さな事業所であれば、そもそも、相談窓口の担当者を据えることや、チーム体制を整えること自体困難であるかもしれません。プライバシーの保護が必要であっても、場所の確保や、調査を行うこと自体が難しいかもしれません。業務への影響が出てくることも考えられます。

では、どのような体制を整えればよいでしょうか。
例えば、社内内部の相談窓口のフォローとして、あるいは社内外併用で外部窓口を設置する、又は外部窓口の設置とまではいかなくても、担当者が対応の方法等を相談できる専門家を顧問契約するということを考えてみてもいいかもしれません。

事業所内の職場環境の事情や人物関係は社内の担当者しか理解が出来ないかもしれません。ただ、外部の専門家(例えば社労士)であれば、同じような問題を他でも相談を受けている場合があり、どのような事実関係の確認が必要で、どのような対応をするべきかを、正しく判断することができます。また、相談者や行為者への感情移入を持つことなく、客観的に判断することもできます。
また、この一元の行為だけでなく、実際の体制全体や、他の面から問題が生じている原因となるものがないかどうかも、広い視点から考えることもできます。どのような情報が不足しているのか、追加で得ておくべきなのかを判断し、質問を重ね、まずは全ての事実を入手することに努めることが出来ます。
直接的な行為のみだけではなく、職場環境や体制が原因となり、派生してハラスメントにつながってしまっていることも考えられるかもしれません。そのような場合は、社内内部だけでは日常となってしまい気づかないこともあると思いますので、全体を広く見渡せる専門家の目を通すことも、ハラスメントの芽を摘み、改善するための方法だと思います。
また、相談窓口担当者や管理者自身がハラスメントの行為者や行為者に近い人であった場合は、そもそも被害者が相談することを断念してしまい、ハラスメントが埋もれてしまい、改善することが出来ず、次のハラスメントにつながってしまうことや、もっと大きなトラブルへと発展してしまうことも考えられます。

社会保険労務士法人ベスト・パートナーズ 代表 竹谷 保宣

当該コラムは、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社の協力のもとに、DREAMJOB Innovation Lab(運営:株式会社DREAMJOB)が運営管理しております。