
発行 あいおいニッセイ同和損害保険株式会社
編集 DREAMJOB Innovation Lab
(1)パワハラを予防するための4つの対策方法
1.ルールを決める
2.周知する
3.実態を把握する
4.教育する
5.まとめ
(2)パワハラが生じた際の対処
1.事実関係の迅速かつ正確な確認
2.相談者(被害者)に対する速やかな配慮
3.行為者(加害者)に対する措置
(3)パワハラが生じた際の証拠の集め方
1.相談者(被害者)へのヒアリング
2.行為者(加害者)へのヒアリング
3.第三者へのヒアリング
4.評価
(4)まとめ
パワハラ予防の対策を講じた場合も、パワハラが生じる可能性はございます。
パワハラが疑われる事案が生じた場合は、その事案に係る事実関係の迅速かつ正確な確認及び適正な対処として、次の措置を講じることが求められます。
行為者、被害者、第三者から事実関係を確認すること。その際、被害者の心身の状況、当該言動や行為が行われた際の受け止めなど、その認識にも適切に配慮することが大切です。事実関係の確認方法・調査については、後述させていただきます。
事案の内容や状況に応じ、被害者と行為者の間の関係改善に向けての援助、被害者と行為者を引き離すための配置転換等の措置を講ずることが考えられます。
就業規則その他の職場における服務規律等に基づき、行為者に対して必要な懲戒その他の措置を講ずること。あわせて、事案の内容や状況に応じ、被害者と行為者の間の関係改善に向けての援助、被害者と行為者を引き離すための配置転換等の措置を講ずることが考えられます。
次に、事実関係の確認方法・調査ついて解説していきます。
まずは、相談者から詳しくヒアリングし、メール・SNS・録音などの証拠や、目撃者の有無を確認していただきます。ヒアリングの際は、相談者と直接関わらない部署の方などを第三者として同席していただき、相談者と同部署の従業員には悟られないように配慮していただくと、相談者も話しやすくなります。また、同席していただく第三者が管理監督者など職責が高い方の場合は、高圧的に感じられる方もいらっしゃいますので、バックオフィスの事務員などが推奨されます。社員の配置などによっても異なりますので、そのときに応じて適任となる方は変わることがございます。
証言は丁寧に聞き取り、不自然な誇張がないか、証拠に一貫性があるか等にも留意しつつ、記録していただく必要がございます。
メールやSNSの記録は、日付や発信者が分かるように画面保存あるいは印刷していただき、物的証拠として残していただきます。先に行為者にヒアリングを行うと、物的証拠を消去されることも考えられますのでご留意ください。
録音データは、名前を発言していることで誰の発言であるかを明確にさせる必要がございます。発言内容をよく聞いて、客観的に「誰が・誰に対して・誰のこと」を発言しているか分かるかを確認していただきます。
次に、行為者へヒアリングしていただき、相談者の証言と食い違う部分がないか、慎重に事実関係を確認していただきます。このとき、相談者へのヒアリングと同様に、第三者に同席していただき、詳細に記録していただくことが求められます。また、行為者へのヒアリングは、さらなるパワハラに繋がることも考えられますので、基本的には相談者の同意のもとで実施していただくことが望ましいとされます。
また、行為者が「誰からの相談か」と聞いてきても、答える必要はございません。答える行為自体が、相談者にとって不適切な対応として受け取られることも考えられます。
この段階で行為者が事実関係を認める場合は、認めた事実がパワハラに該当するか評価していただきます。この段階で相談者と行為者の証言が食い違う場合は、目撃者等の第三者へヒアリングしていただきます。
被害者と加害者との直接のやり取りは、当然、証拠となり得ます。また、被害者と第三者とのやり取りも証拠となり得ますが、加害者が書いたものでない以上、ねつ造の可能性にも注意していただく必要がございます。裁判所は、過度に具体的であったりする場合、ねつ造の可能性があると考えることがございます。被害者の立場になってヒアリングするのではなく、あくまでも客観的な視点を以ってヒアリングしていただくことが大切です。
証拠をもとにパワハラの評価をしていただきます。証拠が不十分な場合は、パワハラと認定されないことがございます。十分な証拠があり、パワハラに該当する場合は、懲戒処分を検討していただきます。
しかし、ここで重すぎる処分をすると、懲戒権の濫用として無効となりうる点にも注意が必要です。まずは、行為者への注意・指導から始め、それでもパワハラが継続する場合は、重い処分をしていただくなど、段階を踏んだ対応が適切です。パワハラの内容に応じて対応も変わってきますので、専門家への相談も有効とされます。金銭的なコストは必要ですが、早期解決に繋がり、全体と見て金銭的にも得をする場合もございます。
ここまで、パワハラを予防するためには、従業員への教育や従業員からの協力が重要であると解説しましたが、まずは会社として変わることが大切です。形としてルールを作るだけでなく、パワハラを許さないという姿勢を見せること必要です。また、パワハラがあった場合に迅速に対処できる体制を整えることは、従業員が安心して働くことができる職場環境にも繋がります。役員、管理職、一般職員に関わらず、パワハラ問題に関心を持ち、積極的なアプローチをすることが、パワハラの予防に繋がることでしょう。
当該コラムは、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社の協力のもとに、DREAMJOB Innovation Lab(運営:株式会社DREAMJOB)が運営管理しております。