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発行 あいおいニッセイ同和損害保険株式会社
編集 DREAMJOB Innovation Lab

年末だから知っておきたい「たな卸」の目的

コラム読者の皆様こんにちは!
内山会計の内山でございます。

この記事では建設・土木業の方へ向けて、税理士・会計士としての立場から、専門的な知識・情報をわかりやすく解説してまいります。

12月となり世間が慌ただしくなってくるころですが、皆さんの会社ではたな卸を正確に行えているでしょうか? 
今回のコラムではたな卸の中でも実際に現物を調査して行う、実地たな卸について解説させていただきます。実地たな卸を正確に行うことは、会社の目に見えにくい財産が「今」どのくらいあるのかということを把握することに繋がりますので、「ちょっと自信が無いかな…」という事業者の方はぜひ本コラムを参考にしていただければ幸いです。

実地たな卸の目的

建設業における実地たな卸は、通常資材倉庫または機材センターにおいては、決算時等に定期的に実施されます。また、現場に払い出された材料等については、工事完成時等に未使用の材料等を回収し工事原価を確定させるための手続きの一環として適時に実施されます。 この手続きは、以下の財務諸表作成目的と経営管理目的のために実施されます。

財務諸表作成目的

材料及び貯蔵品は、通常受払の都度帳簿に継続記録を行うことにより各時点における数量と金額を確認することができますが、この帳簿在高には受入・払出の処理誤り、紛失、盗難等の原因による増減は含まれていません。また、保管中における劣化、不良在庫等の有無は現物の照合により確認することができます。

そのため、決算期末等においては実地たな卸を行い、帳簿残高と照合することによりその実在性を検証し、実在庫との差異は帳簿残高の修正を行い、たな卸資産の在庫数量を確定するとともに、不良在庫等の評価減の必要なたな卸資産の有無を把握して適切な評価を行うことにより、財務諸表作成のためのたな卸資産残高を確定することが可能となります。

経営管理目的

経営活動において在庫管理を実施するに当たりもっとも重要な点は、品質の保証された材料を適正に保管し、決められた場所へ決められた時期に必要な数を提供することにあります。

実地たな卸を機に各在庫の在庫数量が適切であるか、 また在庫の保管状況に問題がないか、 さらには、日々の受払記録が定められた方法に従い適切に実施されているかを確認することにより、在庫管理における現状の問題点を把握し、健全な経営管理に役立つ情報を入手することが可能となります。
つまり、実地たな卸は単に在庫数量を確認するだけでなく、現品の保管状況等を確かめることにより在庫管理制度のレベルを検討するための重要な手続であることの認識が必要です。

実地たな卸の方法

実施たな卸は原則として、決算日にすべてのたな卸資産を対象として一斉に行うことが望まれますが、在庫数量、帳簿記録(継続記録)の信頼性、実地たな卸に要する時間・人員等を考慮して、以下の方法が認められています。

定時一斉たな卸

定時一斉たな卸は、在庫品の全てについて一時にたな卸を行う方法であり、 もっとも一般的に実施されています。よく小売店で見かける「たな卸のため店休日」の「たな卸」がこれに当たります。
この場合、定時とは決算日を前提としていますが、期末に会社の業務が集中するのを避け、また実地たな卸による差異修正を的確に決算に反映させるために、決算日以外の一定日をたな卸基準日と定めて、この日に一斉たな卸を行うことも認められます。
ただし、このためにはたな卸資産に関する内部統制が良好であり、かつ帳簿記録等が整備されていることが前提条件となります。

循環たな卸

一定の計画に基づきたな卸資産を種類ごとに区分けし、それを毎月末などの一定の日をたな卸基準日として、順次たな卸を行う方法であり、一事業年度中に循環的にたな卸資産のすべてについて、1回以上のたな卸を行う方法です。
ただし、この循環たな卸はたな卸の実施日と決算日との間に相当の期間があるため、継続記録が作成されていない場合や、継続記録の作成に関する内部統制の整備状況が不十分な場合には認められません。
また、 循環たな卸の実施に当たっては、受払が頻繁に行われて動きの多い項目は動きの少ない項目に比べて誤りが発生する可能性も大きいため、在庫管理システム等のIT導入や計画的に実施頻度を高めてたな卸を実施するなどの必要があります。

最低時たな卸

たな卸資産の数量が最低量に達したときにたな卸を実施する方法です。
ただし、この最低時たな卸の実施に当たっては、どの種類のたな卸資産を、どの数量になった時にたな卸を実施するのかを事前に詳細に定めておくことが必要であるとともに、たな卸資産に関する内部統制が良好であり、かつ帳簿記録等が整備されていることが前提条件となります。

今回のまとめ

たな卸という作業自体は通常業務を止めることにも繋がるため敬遠される方も多くいらっしゃいます。確かに手間はかかりますが、会社の資産を正確に把握するためには必要な作業ですので、最低年1回は必ず行うようにしておきましょう。

なお、在庫管理システムなどの導入には補助金を活用できるケースも存在しますので、ご興味のある方はお気軽に当事務所までお問い合わせください。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

税理士法人内山会計 公認会計士・税理士 内山典弘

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