DREAMJOB Innovation Lab

これからを創造するお役立ち情報 イノベーションラボNews

発行 あいおいニッセイ同和損害保険株式会社
編集 DREAMJOB Innovation Lab

「 全期間固定金利という選択 」

コラム読者の皆様こんにちは!
内山会計の内山でございます。

この記事では一般の方へ向けた金融・税務に役立つ豆知識を、税理士・会計士としての立場から、わかりやすく解説してまいります。

前回の本コラム最後に「払うお金は固定化し、貯めるお金は変動へ」というご提案をさせていただきました。

ここで言う「払うお金の固定化」というのは住宅ローンを差しますが、住宅ローン商品を選択する際に多くの方が変動金利と固定金利どちらがいいのか? ということで悩まれると思います。
一概にどちらがおススメです! ということは言えませんが、住宅ローンのシェアを見てみると変動を選択される方が多いようですので、固定を選ぶという選択肢もありますよ…。ということを本コラムで解説させていただきます。

シェアは変動金利が圧倒的

上図を見て頂くと分かる通り、変動金利のシェアは最新の調査で70%を超えています。
なぜ変動金利のシェアが高いのかと言えば、単純に現在の金利が低いからですが、参考までに本コラム執筆時点の最低金利は変動金利で0.289%であるのに対し、全期間固定はフラット35で1.54%となっています。
仮に住宅ローンを3000万円・35年間で組み、返済期間中に金利が全く変わらなかったとしたら、月々の返済額・返済総額は次の通りです。

変動金利(0.289%)
月々返済額:75,110円
返済総額:31,546,433円

全期間固定金利(1.54%)
月々返済額:92,444円
返済総額:38,826,596円

毎月の差は約1万7千円、返済総額の差は約730万円となりますので、一見すると変動金利の方がお得に住宅ローンを組めるということになります。

しかし、これはあくまで変動金利が変動しなかったら…という前提のもとに成り立つ話です。変動金利はその名の通り「変動」する可能性がありますので、35年間全く金利が変わらないという保証はありません。

変動金利は変動しない?

「変動するって言ってもそんなに大きく変わらないでしょ?」
恐らく変動金利を選択する方の多くが上記のような考えをお持ちかもしれません。確かに、来月からいきなり1%上昇ということは考えにくいですが、可能性がゼロか? と言われればゼロではありません。

変動金利を選択するということは、「借金の金利を自分で決められない」ことになりますので、長期に渡る返済であればあるほど、金利上昇リスクに生活がさらされることになるのです。

例えば、一括で購入できる資金はあるけれど、住宅ローン控除を使いたいので控除期間が終わったら全額返済する。という計画であれば変動金利を選択しても良いと思いますが、今の金利が低いからという理由だけで変動金利を選択するのは少々リスキーであると言えるでしょう。

そもそも比べる対象ではない

変動と固定どちらが良いか?
ということに明確な答えはありませんが、そもそもこの二つは比べるべき存在ではありません。既述の通り商品としての性質が全く異なりますので、比べようがないのです。

もちろん借り手側の考え方・保有資産にもよりますが、一般的にマイホームを購入される子育て世帯の方であれば、全期間固定を選択した方が手堅い生活を送れる可能性が高いといえます。

もし、変動金利を選択した場合。返済を進めて行く中で金利が上昇してきたとしたら、返済への大きな不安を抱えてしまうことになるでしょう。これが全期間固定金利であれば金利上昇リスクという物は発生しませんので、返済への不安は存在しないことになるのです。

「でも、今の金利差がね…」
確かに金利差は存在しますが、「固定と変動の金利差は金利上昇リスクへの保険代」と考えを変えてみてはいかがでしょうか。それでも金利差が気になる場合は、信頼できるファイナンシャルプランナーへライフプランの制作を依頼し、自分達家族にとってどの選択が最良なのかを相談すると良いでしょう。

今回のまとめ

ネット検索をしてみると、「変動金利推し」な記事や動画が多く目に飛び込んできます。シェアも多く、現在の低金利を考えると情報量も自然と多くなってくるのだろうと思います。

しかし、固定金利という商品も世の中にはございますので、住宅ローンを組まれる際は変動一択ではなく、固定金利を利用するという選択肢も持っておいていただければと思います。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

税理士法人内山会計 公認会計士・税理士 内山典弘

【著者関連記事】
●「生命保険と相続税」
●「マーケティンク゛基礎知識関係性のマトリクス」

当該コラムは、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社の協力のもとに、DREAMJOB Innovation Lab(運営:株式会社DREAMJOB)が運営管理しております。