DREAMJOB Innovation Lab

これからを創造するお役立ち情報 イノベーションラボNews

発行 あいおいニッセイ同和損害保険株式会社
編集 DREAMJOB Innovation Lab

「NO.2の育て方②NO.2の存在で得られる7つのメリット」

前回はワンマン経営を変えていくためにはNO.2の存在が必要で、経営戦略を立てるのは社長の仕事、経営戦略を実行するのはNO.2という話でした。

今回はNO.2がいることで得られるメリットについてお伝えしていきます。

NO.2の存在で得られる7つのメリット

NO.2の存在により、社長が事業活動の全てに深く関わり過ぎて、本来やるべきことができないという状態から脱却できるとどんなメリットが生まれるでしょうか。

1.業績が良くなる
2.孤独な社長業から解放される
3.雑事から解放される
4.多くの判断業務から解放される
5.チャンスをものにできる
6.自分の能力以上の会社にすることができる
7.プライベートの時間が増える

ひとつずつ解説していきます。

1.業績が良くなる

結論めいたことを先に書いてしまいましたが、NO.2という存在がいて、しっかり機能すると業績は良くなります。

経営戦略を立てることが社長の本来の仕事と再三書いていますが、案外、経営戦略がない会社というものは多いです。経営計画や事業計画なんてものを真剣に作ったことがない、そういう会社は本当にびっくりするほど多いです。

そういう社長が経営戦略がーと言う場合、正直、妄想レベルでしかないのが現実です。妄想なので根拠も具体性もなく、実現可能性についても深くは考えていません。

ただ、妄想でも野生のカンみたいなもので大きな方向性は悪くない場合もあります。そうしたカンが強いからこそ社長を続けていられる訳です。

そうした妄想がしっかりとしたアイデアとなり、具体的計画となり、実行されるとしたらどうでしょう。現業が広がったり、深くなったりしていく可能性が高くなります。

そして、そもそも社長には得意なことがあるはずです。例えば、営業であったり、人付き合いであったり、技術開発などです。自分が得意なこと、好きなことをやっている時は一番成果が出やすいものです。本来得意なことに専念できる時間が増えたら、今より良くなるしかないと思います。

NO.2が社長の抽象的なアイデアを具体化し、実行し、社長が自分自身に使える時間を増やすことができたら業績は良くなります。

2.孤独な社長業から解放される

社長は孤独だとよく言います。最終決裁者であり、全責任を負う立場で、最後はひとりで判断しないといけない場面が多いためです。

物事は表裏一体で良い面も悪い面も含んでいます。良い面ばかりに着目して、リスクやデメリットを深く考えずにやってみたら失敗してしまう。そういうことは多いです。逆に、リスクやデメリットばかりに着目してチャンスを見送ってしまうこともあるでしょう。また、決断しようと思うけれど踏ん切りがつかない場合もあるでしょう。

ひとりで考えることには限界がありますし、時間的余裕がない時もあります。

そんな時に、一緒に考えてくれる相談相手がいたらどうでしょうか。より正解に近い答えを出しやすいと思いますし、背中を押してもらえる場合もあるでしょう。なによりもストレスやプレッシャーが軽減されるはずです。

3.雑事から解放される

まだ会社が小さい時からの習慣やルールで、社長が全てを決裁するという運用になっている場合があると思います。例えば、少額経費精算の決裁や勤怠管理、発注、契約書のチェック、押印などといったことです。

何から何まで社長を通すという運用には当初は意味があったのかもしれませんが、それが何の疑問もなく習慣やルールとなってしまっていると社長としてやるべきことに充てる時間がどんどん削り取られていきます。

自分が全てを把握していないと気が済まないというタイプの社長に多いと思いますが、決裁印を押す作業まで自分で行っているとどれだけ時間があっても足りなくなります。

4.多くの判断業務から解放される

決裁するには判断が伴いますから同じく時間が取られます。重要な判断とそうでないものは分けないと、机の上には決裁印を押さないといけない紙の山と判断を待つ部下からのメールや電話、会議の対応などに追われます。

3と4は重なる部分が多いものですが、これまで自分が全て関わってきたもののうち、やはり自分がやるべきことと些末なことで自分でやる必要がないものに分け、NO.2に割り振り、NO.2自身が行うのか、そのまた部下に指示して行わせるかなどを実行するだけで社長の時間は確実に増えます。

全てを丸投げしてしまえばいいという乱暴なことを言う気はありません。どんな小さなことでも社長として把握しておきたいことはもちろんあるはずですから、判断のプロセスや結果について確認できる状況を作っておけばそれで足りるはずです。

5.チャンスをものにできる

チャンスと思えることは会社の状況に関わらず突然やってくることもあります。せっかくの話を今はとても余力がないからという理由で見送ってしまった経験はありませんか。逆に、できもしないのに安請け合いして大きな失敗をしてしまったことはありませんか。

社長が日頃から会社の状況を正確に把握し、検討や判断する余力があれば後悔するような結果にはなりにくいはずです。

チャンスを見送るのが賢明な判断の場合もありますが、今はすぐできないけど数か月後や来年ならできると判断すればその間に準備を進め、チャンスをストックできますし、売上が欲しいがために無理をして取り組んで失敗することも減ります。

社長自身に余力がない時は、社員も余力がないことが多いです。なぜなら適切なマネジメントが行われていないからこそ課題ばかりが増えて、社員が疲弊し、モチベーションも下がっているからです。その状態ではいくらチャンスが到来しても成果を上げることは難しいです。

6.自分の能力以上の会社にすることができる

社長の器以上に会社を大きくすることはできないという言葉にあるように、社長の限界が会社の限界です。

一人でできることなどたかが知れています。全ての権限を自分に集中させ、作業まで自分で行い、企画と実行まで行っているとスピードも質も上がりません。増えていくのは社員の不満ばかりということでは何のために必死に仕事をしているのかよくわからなくなります。社長が考えるべきことは山のようにありますから、NO.2に委ねることは委ね、自分と異なる意見にも耳を傾け、冷静な判断をする。そうしたことを積み重ねていくと会社ができることの範囲が広がり、スピードも上がります。結果、社長の能力以上の会社として成長していく訳です。

そして、だからこそNO.2には社長に足りない部分を補う能力があることが必要となってきますし、正しい情報を上げない、社長の能力を補う能力がないイエスマンをいくら取り巻きにしても意味がないのです。

7.プライベートの時間が増える

社長も人間です。プライベートの時間を大切にしたいはずです。いくら社員のため、売上のためと言っても休む暇もなく、家族との時間や趣味や学びに充てる時間もなければ精神的にも肉体的にも休まることがありません。リフレッシュすることなく仕事ばかりに集中していると、良いアイデアも浮かんできません。

プライベートの時間を犠牲にしてまで仕事をし続けていると、それが強い仕事観となり、社員にも強要することになりやすいものです。そうした仕事観に共感できる社員は良いかもしれませんが、残念ながら多くの社員はそうした考えにはついてきてくれませんし、職場がブラック化しやすく、最悪は離職に繋がっていきます。

良い仕事をしつつも、常識的な時間で仕事を終え、プライベートも充実した時間を過ごす。ワークライフバランスは社員だけでなく、社長自身にとっても重要なことです。

いかがでしたでしょうか。

しっかりしたNO.2がいると社長に余力が生まれ、会社の成長スピードが上がるというお話でした。

ここで書いていることは、どこかで聞きかじった内容ではなく、私が複数の会社でNO.2として経験し、実践してきた実体験に基づいたことしか書いていません。

社員として、中間管理職として、NO.2として経験したこと、考えたこと。そして今は経営者の立場からNO.2の存在はやはり重要だとあらためて強く思っています。

次回は正しいNO.2の選び方について記事を書く予定です。最後までお読みいただきありがとうございます。

株式会社コナトゥスマネジメント
代表 平原 孝之