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NO.2の育て方⑫社長は信賞必罰の権能を手放してはいけない



信賞必罰という言葉は皆さんご存知でしょう。成果を上げた場合には相応の褒賞を与え、望ましくない行動に対しては罰するということですが、本来的にはこの信賞必罰の権限は社長の専権です。

何を当たり前のことと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、この専権を手放してしまう社長がまま存在します。今回は信賞必罰をテーマにNO.2との関係性について考察してみたいと思います。

■褒賞と罰は誰が行使するか

昇格や昇給、表彰などの褒賞はポジティブな出来事なので、与える側も受ける側もストレスがありませんが、罰を与える際には気が進まないのが人情だと思います。特に罰を与えるにあたっては、その前段階として注意や叱責など双方にとってストレスがかかるプロセスを経ることになりますから尚更です。

特にこの罰について言うと、社長によっては、人に注意する、叱るというのがとにかく苦手だったり、社員に嫌われたくない、恨まれたくないといった心理で避けたがる人もいます。

部下などに注意をした場合に、素直に反省し、改善を試みてくれるのであれば良いのですが、中には反省するどころか言い訳や責任転嫁、逆切れするなどの社員も残念ながら存在するのが現実です。

もちろん注意をする側も言い方やタイミング、人前で指摘をしないなど細心の注意を払うことが必要ですが、失態を犯した場合に放置するようなことがあれば、会社は無法地帯になり、同じ過ちを繰り返す学習しない組織になってしまいますから、誰かが注意や叱責をしなければなりません。

■NO.2に嫌な役回りを任せるとどうなるか

社長がこの嫌な役回りから逃げて、NO.2に任せたとします。その結果起きることは、社員が本当に恐れる権威者はNO.2となり、社長ではなくなることです。

社長が褒賞授与の時だけ優しく接したところで、日頃、社員は何かあれば厳しく対応してくるNO.2の方の顔色を伺うようになります。

「社長は優しい、自分たちの味方だ」と慕われるのは社長として気分が良いかもしれませんが、一方で、表現は悪いのですが、社員からなめられる社長に成り下がります。「社長は何をしても怒らない、成果を出さなくても何も言わない。そうであるなら無理に頑張る必要もない」といった感じです。

■トップが賞と罰をセットで行使してはじめて意味があるのが信賞必罰

賞と罰の権能を分離し、社長が罰の行使をNO.2に委ねてしまうと起きる弊害についてお伝えしました。さらに悪い状況は、権威を得たNO.2が派閥などを作り、会社の実権を社長から奪ってしまう可能性があることです。

少し極端な状況に感じられるかもしれませんが、程度の差はあれ社長の求心力低下に繋がることではあるので、必要以上に社員から愛される社長を目指している社長は肝に銘じておいた方が良いと思います。

社長が賞と罰をセットで行使するのは当たり前と思われる方も世の中には多いと思いますが、嫌われ役を担う人が社内にいるのを見たり、聞いたりすることも多いはずです。

それはそれで会社運営上、必要な存在かもしれませんが、社長が本来すべきことを代行していると、前述したような状況になってしまう可能性を含んでいることを知っておくべきです。

同じ人間が、賞と罰を行使することはそれだけ公平な見地から行われていると認識してもらう必要がありますし、賞罰の権能は権威者のみの専権であることを忘れてはいけません。

評価を巡っては悩ましい課題が一般的にも多い事柄です。

なんらの成果を上げない社長の取り巻きが昇給、昇格したり、成果を上げていても正当な評価を受けることがない、理不尽な処遇を受けることがある状況などは、この信賞必罰の権能以前の問題なので本稿では取り上げませんが、信賞必罰が社長にとって重要な権能であることを再認識頂ければと思います。

最後までお読みいただきありがとうございます。



株式会社コナトゥスマネジメント 代表  平原 孝之


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