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発行 あいおいニッセイ同和損害保険株式会社
編集 DREAMJOB Innovation Lab

外回りの営業社員なら残業代は発生しない?
「事業場外労働みなし労働時間制」とは

「外回りの営業社員は労働時間の把握ができないので残業代が発生しないと聞いたのですが本当ですか?」

いわゆる「事業場外労働に関するみなし労働時間制」に関するご相談です。会社は、労働者の労働時間を把握してその労働時間に応じた賃金を支払う必要があります。

「事業場外労働に関するみなし労働時間制」を導入すれば例外的に一定時間、労働したものとみなされる制度ですが、一概に「残業代が発生しない」というわけではないので注意が必要です。

外回りの営業社員

「事業場外労働に関するみなし労働時間制」とは

事業場外労働のみなし労働時間制とは、労働者が業務の全部または一部を事業場外で従事している場合に適用することができます。

事業主(会社)の管理下の外にいるために労働時間の把握が困難な場合に、「一定の時間、労働したものとみなす」ことのできる制度です。

その「一定の時間」が法定労働時間を超える場合には残業代が発生するので一概に「残業代が発生しない制度」とはいえません。

「労働時間の把握が困難な場合」とは

「外回りの営業社員の場合、労働時間の把握ができない」という意見もありますが本当にそうでしょうか。

会社の外で業務にあたっていたとしても、本当に労働時間の把握が困難かどうかは、検討する必要があります。

□外回りをしているメンバーの中に上長がおり労働時間の把握ができる
□スマートフォンなどをもっており会社の指示を受けながら行動している
□一日のスケジュールが決まっておりスケジュールに基づいて行動している

このような場合、会社はいつでもスマートフォン等で社員の動向を把握できるので、労働時間の把握が困難とはいえません。

また、スケジュールを作成した結果、労働時間が所定労働時間を超える見込みがあれば時間外労働割増賃金も発生します。

トラブルになると会社が不利?

事業場外労働に関するみなし労働時間制を巡る労務トラブルというと「みなし時間の中に労働時間が収まっていたのか?」「本当に時間外労働は発生していなかったのか?」という賃金不払い残業の事案になります。

裁判事例を見ると会社側が不利な判断が目立ちます。

○阪急トラベルサポート残業代等請求事件
旅行日程通りに行動していた添乗員の事業場外労働に関するみなし労働時間制の適用が否定された事例。

○ほるぷ賃金等請求事件
展示会会場で業務に従事していた労働者の事業場外労働に関するみなし労働時間制の適用が否定された事例。

○千里山生活協同組合賃金等請求事件
事業場外で配達業務にあたっていた労働者の労働者の事業場外労働に関するみなし労働時間制の適用が否定された事例。

まとめ

今回は、事業場外労働に関するみなし労働時間制についてお伝えしました。

一概に「外回りの営業社員なら残業代が発生しない」というわけではない、ということをご理解いただけたと思います。

制度を導入するにあたっては、就業規則への規定も必要になります。

制度の導入や就業規則の作成などに関するご相談、ご質問は、社会保険労務士法人GOALまでお問い合わせください。

社会保険労務士法人GOAL 代表社員 社会保険労務士 久保田 慎平

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