DREAMJOB Innovation Lab

これからを創造するお役立ち情報 イノベーションラボNews

発行 あいおいニッセイ同和損害保険株式会社
編集 DREAMJOB Innovation Lab

社宅の貸与をするときに気を付けること

税金対策や人材の確保などを理由に社宅制度を導入して社員や役員へ貸与したい、という相談をいただくことがあります。

最近では、シェアハウスを法人契約するケースもあるようです。

このとき、家賃の全額または一部を会社が負担をすることになりますが、その会社負担分について、社会保険や税務の部分で適切な対応がとられていないことがあるので注意が必要です。

社宅家賃の会社負担分にも社会保険料がかかる

社宅の家賃を会社が負担した場合、その会社負担分については「現物支給」をしたという扱いになります。

社会保険(健康保険、厚生年金保険)の被保険者が現物支給を受けた場合には、その現物を通貨に換算して社会保険料を算定します。

どのように通貨に換算するかというと、住宅や食事の場合には、「厚生労働大臣が定める現物給与の価額」(厚生労働省告示)に定められた額、自社製品等その他のもので支給される場合は、原則として時価に換算します。

この「厚生労働大臣が定める現物給与の価額」は、物価の変動等に合わせて例年4月に改定されます。

社宅を貸与する場合は独自の計算式に当てはめる

家賃を会社で全額負担する場合、家賃の金額をそのまま社会保険料の算定に含めればいいかというとそうではありません。

「厚生労働大臣が定める現物給与の価額」により計算方法が定められています。

現物給与を支給する際には、現物給与の仕組みを理解するとともに次の点にも注意する必要があります。

・現物給与の価格(畳1畳当たりの価格等)は基本的に毎年変動する
・現物給与の価格が変動になると月額変更の対象になる
・勤務地と社宅が県をまたぐ場合は勤務地の価格で算定する
・物件の価格ではなく居住用スペースで算定する

現物支給の方法ではなく簡易的に処理したい場合

社宅を貸与したり食事を支給したりする場合は、以上のような「厚生労働大臣が定める現物給与の価額」により社会保険料を算定する必要があります。

この社会保険料の計算方法を誤ると遡って、社会保険料の清算や月額変更などの手続きが必要になるケースがあります。

現物支給の方法ではなく簡易的に処理したい場合には、社員地自身で賃貸借契約をしてもらい、家賃の一部を住宅手当として支給する方法の方が手間がありません。

また、住宅手当は、支給方法によっては時間外手当等、割増賃金単価の算定対象から除外することもできます。

給与計算の実務的な対応や賃金規程への規定方法についてのご相談、ご質問は、社会保険労務士法人GOALまでお問い合わせください。

なお、税務上の取り扱いについては、顧問税理士へご確認ください。

社会保険労務士法人GOAL 代表社員 社会保険労務士 久保田 慎平

【著者関連記事】
●「労務管理の中で「勤怠管理」「労働時間管理」は必須項目!」
●「在宅勤務を導入するときの在宅勤務手当と通勤手当の考え方」
●「正しく運用しないとリスク大!雇用契約と業務委託契約のちがい」
●「育児介護休業規程の見直しはお済みですか?」
●「定期的な見直しが大切!就業規則と雇用契約書」

当該コラムは、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社の協力のもとに、DREAMJOB Innovation Lab(運営:株式会社DREAMJOB)が運営管理しております。