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発行 あいおいニッセイ同和損害保険株式会社
編集 DREAMJOB Innovation Lab

ポンジスキームにご用心

コラム読者の皆様こんにちは!
内山会計の内山でございます。

この記事では一般の方へ向けた金融・税務の役立つ豆知識を、税理士・会計士としての立場から、わかりやすく解説してまいります。

今回のコラムはちょっとした注意喚起を目的としています。皆さんは『ポンジスキーム』という投資詐欺をご存知でしょうか? 近年ではSNSなどを通して様々な投資情報が溢れていますが、一見魅力的に見える投資だったとしても実は詐欺だった…ということは多く存在しています。

そこで今回のコラムでは『ポンジスキームにご用心』と題して、ポンジスキームとはどのようなものなのか? さらに、気を付けるべき3つの点について解説してまいります。苦労して蓄えた資産を詐欺によって失わないためにもぜひ最後までご覧ください。

ポンジスキームとは何か?

ポンジスキームとは出資者から資金を集め運用し、その利益を還元すると謳っておきながら、実際には運用をせず後から出資した人のお金を最初に出資した人へ配当金として渡す手法です。第二次大戦前のアメリカで暗躍した詐欺師チャールズ・ポンジから名前が取られています。

出資している人から見れば運用がうまく行っているから配当金が支払われていると思ってしまい、場合によっては「儲かっているのだから」と追加出資してさらに傷口を広げてしまうという事例もあるようです。一方で出資を募っている業者からすれば、自転車操業によって資金を回しているだけに過ぎませんので、いずれ破たんすることは目に見えています。もっとも計画的に破たんさせ逃げるところまで計画しているのでしょうが…。

ともかく詐欺であることは間違いありませんので、当コラム読者の方々も気を付けていただきたいところですが、冒頭申し上げた通りSNS等でも様々な投資情報が溢れている時代ですので、真贋を見分ける目はチャールズ・ポンジが暗躍した時代とは比べられないくらい重要です。
では、毎日溢れている多くの情報を、どのような点に気を付けて見分けたらよいのでしょうか?

「○○ 評判」「○○ 詐欺」で検索

情報が溢れている時代ということは、ネガティブな情報であっても即座に広まるということです。グルメサイトなどもそうですが、所謂レビューは誰でも簡単に手に入れられる第三者視点での情報となります。

グルメサイトの口コミ同様、感じ方は人それぞれですので一概には言えませんが、「○○ 詐欺」と検索し、あまりにもネガティブな情報が多いようであれば、投資をするべきではありません。
また、逆にSNS等で特定の人物だけが称賛している場合も注意する必要があると言えます。ポンジスキームの中には高額な紹介者報酬を用意している案件もありますので、SNS等で広く情報を発信し、出資者を募ることが出来れば、情報発信した側にも報酬が支払われるため「怪しいと思っていながらも報酬のためにポジティブな情報を発信する」ということは大いにあり得ることでしょう。

検索結果・情報量・誰が発信している情報か? の3点をよく確認し、本当に有益だと判断できるもので無ければ投資を行うべきではないと断言します。

“必ず”元本保証と言い切っている

これもポンジスキームに係わらず詐欺的な金融商品によくある手法ですが、“必ず”元本を保証すると言い切るものは疑ってかかるべきだと考えます。

株式、先物、FX、仮想通貨などの投資商品に元本保証はありません。人の思惑があって売買されるものですから、明日の価格すら誰にもわかりません。ということは、損したり得したりすることがあるわけですので、ずっと勝ち続けるということは至難の業なのです。
ましてや人から預かったお金に対して“必ず”元本を保証するということは、もしトレードや出資した事業で損失が出てしまった場合でも、業者が補填するということになりますので、遅かれ早かれ業者の破たんは目に見えています。

冷静に考えれば元本保証があり得ないことにすぐ気が付くはずです。しかも“必ず”という表現は投資の世界に存在しない言葉ですので、“必ず”元本を保証すると言われた場合は投資を見送った方が賢明な判断と言えるでしょう。

今回のまとめ

SNSを見ていると、多く目にする情報として「仮想通貨」「自動売買」「海外口座」など、労せず多くの利益を獲得出来るような魅力的な投資案件が紹介されています。
確かに働かずに多くの利益が得られれば誰でも得たいと思うでしょうし、実際の取引履歴なども画像で載っていますので飛びついてしまう気持ちも分かります。

しかし、当コラム読者にまず考えてほしいのは「なぜこの人はSNSで紹介しているのだろう?」ということです。先述した紹介者報酬が欲しいのか? 投資情報を執筆した自ブログへ誘導したいのか? 単純に世の中に情報を広げたいのか? など、なぜ情報発信しているのかをよく考えた上で、メリットだけを鵜呑みにせずデメリットを自分で考え判断するクセを付けていただければと思います。

・取引履歴が画像で公開されているから安心
・取引を行っている動画が公開されているから安心
・多くの人が儲かっているようだから安心

どれも確実に安心できる要素ではありません。画像も動画も悪意を持って制作することは可能ですし、多くの人が儲かっているように装うことも簡単です。

詐欺に巻き込まれてしまった場合、投資したお金を取り戻すことは難しい場合が多いため、大切なお金を失わないよう金融・情報リテラシーを高め、ネットの情報を盲目的に信じないことが大切です。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

税理士法人内山会計 公認会計士・税理士 内山典弘

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